手ばかり法による野菜摂取量推定の妥当性評価
目的:片手1杯分の野菜重量を60 gと仮定し,手ばかり法が野菜摂取状況を簡便に把握する指標としての利用可能かを評価することを目的とする.方法:調査会社のモニター登録者で20歳以上70歳未満の健常な男女を対象とし2020年4月にweb調査票を用いた横断研究を実施した.写真法による野菜摂取量調査(任意の平日2日,休日1日に摂取した全食(朝食,昼食,夕食,間食)の写真及び食事記録)と手ばかり法による野菜摂取量調査を行った.それぞれの推定野菜摂取量(生換算(g/日))からピアソンの相関係数を算出した.結果:全ての回答が得られた338名(男性168名,平均年齢44.3歳,女性170名,平均年齢44.9歳...
Saved in:
Published in | 日本健康教育学会誌 Vol. 31; no. 4; pp. 191 - 200 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康教育学会
30.11.2023
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
DOI | 10.11260/kenkokyoiku.31.191 |
Cover
Summary: | 目的:片手1杯分の野菜重量を60 gと仮定し,手ばかり法が野菜摂取状況を簡便に把握する指標としての利用可能かを評価することを目的とする.方法:調査会社のモニター登録者で20歳以上70歳未満の健常な男女を対象とし2020年4月にweb調査票を用いた横断研究を実施した.写真法による野菜摂取量調査(任意の平日2日,休日1日に摂取した全食(朝食,昼食,夕食,間食)の写真及び食事記録)と手ばかり法による野菜摂取量調査を行った.それぞれの推定野菜摂取量(生換算(g/日))からピアソンの相関係数を算出した.結果:全ての回答が得られた338名(男性168名,平均年齢44.3歳,女性170名,平均年齢44.9歳)を解析対象とした(有効率67.3%).写真法と手ばかり法の3日間の野菜摂取量の平均値の相関係数は0.63(P<0.001)であり,有意な正の相関を示した.一方,手ばかり法の野菜摂取量の推定値は,写真法のそれと比較して有意に少なく(P<0.001),手ばかり法では野菜摂取量を過少評価する傾向にあった.結論:写真法との比較より,手ばかり法は一定の妥当性が確認された.一方,手ばかり法では野菜摂取量は過少評価される傾向にあり,野菜摂取の多さ,少なさの目安としては利用可能だが,定量的に野菜摂取量を計測するには更なる検討が必要と示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
DOI: | 10.11260/kenkokyoiku.31.191 |