マントル細胞リンパ腫の化学療法治療中に眼窩内転移により圧迫性視神経症をきたした1例

76歳,男性.初診5か月前にマントル細胞リンパ腫と診断され化学療法施行するも奏効しなかった.左上眼瞼腫脹を主訴に初診.左上眼瞼に2 cmの腫瘤,眼球運動障害と高眼圧を認めた.眼瞼腫瘍生検術を施行し,病理診断検査の結果マントル細胞リンパ腫の転移の診断となる.経過中に上眼瞼腫瘍の急速な増大と対光反射減弱を認め眼窩への浸潤が予測された.画像検査にて数日で腫瘍は上眼瞼から眼窩に波及し,圧迫性視神経症を来した.化学放射線治療後,上眼瞼腫瘍は著明に縮小,対光反射は改善した.マントル細胞リンパ腫は今回の症例の様に稀ではあるが急速な増大を認め,腫瘍による圧迫性視神経症を来すことがあり,早期診断早期治療介入が必...

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Published in神経眼科 Vol. 37; no. 3; pp. 311 - 316
Main Authors 眞弓, 京, 浅田, 洋輔, 横山, 利幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.09.2020
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Summary:76歳,男性.初診5か月前にマントル細胞リンパ腫と診断され化学療法施行するも奏効しなかった.左上眼瞼腫脹を主訴に初診.左上眼瞼に2 cmの腫瘤,眼球運動障害と高眼圧を認めた.眼瞼腫瘍生検術を施行し,病理診断検査の結果マントル細胞リンパ腫の転移の診断となる.経過中に上眼瞼腫瘍の急速な増大と対光反射減弱を認め眼窩への浸潤が予測された.画像検査にて数日で腫瘍は上眼瞼から眼窩に波及し,圧迫性視神経症を来した.化学放射線治療後,上眼瞼腫瘍は著明に縮小,対光反射は改善した.マントル細胞リンパ腫は今回の症例の様に稀ではあるが急速な増大を認め,腫瘍による圧迫性視神経症を来すことがあり,早期診断早期治療介入が必要である.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.37.311