補体
補体系とは 補体(Comprement : 「C」と略す)は, 現在9つの成分(component)に単離精製することができ, 各成分(第1成分 : C1, ……第9成分 : C9)の物理化学的性状も明らかになつている(表1). これらはすべて蛋白性の分子であり, 何らかの機序で活性化されると, 免疫細胞溶解反応(免疫溶血反応も免疫溶菌反応もここに含まれる), 免疫食菌反応, 免疫粘着反応などの生物学的な現象を呈してくる. それが生体内で起こる生体に有害な反応として, 種々のアレルギー反応が生ずる. 補体が9成分に精製分離されるようになつたのは, わずかに10数年来にすぎず, 近年の物理化学的...
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Published in | 医療 Vol. 32; no. 11; pp. 1394 - 1399 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1978
医療同好会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.32.1394 |
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Summary: | 補体系とは 補体(Comprement : 「C」と略す)は, 現在9つの成分(component)に単離精製することができ, 各成分(第1成分 : C1, ……第9成分 : C9)の物理化学的性状も明らかになつている(表1). これらはすべて蛋白性の分子であり, 何らかの機序で活性化されると, 免疫細胞溶解反応(免疫溶血反応も免疫溶菌反応もここに含まれる), 免疫食菌反応, 免疫粘着反応などの生物学的な現象を呈してくる. それが生体内で起こる生体に有害な反応として, 種々のアレルギー反応が生ずる. 補体が9成分に精製分離されるようになつたのは, わずかに10数年来にすぎず, 近年の物理化学的分析技術の進歩と, 分子生物学の展開が, 補体学の発展を促したといえよう. 補体の存在は, すでに19世紀後半に知られていた. 免疫血清による殺菌作用には, 新鮮血清にも存在する易熱性因子が必要であることが発見されていた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.32.1394 |