心電図同期MRAによる未破裂脳動脈瘤の診断
心電図同期magnetic resonance angiography(MRA)を未破裂脳動脈瘤症例で撮影し,動脈瘤の瘤径と形態について収縮期画像と拡張期画像で比較検討した.方法:2004年4月より2005年12月までに心電図同期MRAを撮影した未破裂脳動脈瘤の受診者29名(男性14名・女性15名),31動脈瘤を対象とした.内訳は,中大脳動脈系13個,内頚動脈系11個,前交通・前大脳動脈系6個,椎骨・脳底動脈系1個であった.瘤径の変化は長軸方向の瘤径を用いて,収縮期と拡張期での瘤径の比率を算出し正常血管の変化率との比較で判定した。形態変化はワークステーションを用いて作成した3次元画像で動脈瘤の...
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Published in | 人間ドック Vol. 21; no. 4; pp. 866 - 871 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2006
日本人間ドック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
DOI | 10.11320/ningendock2005.21.866 |
Cover
Summary: | 心電図同期magnetic resonance angiography(MRA)を未破裂脳動脈瘤症例で撮影し,動脈瘤の瘤径と形態について収縮期画像と拡張期画像で比較検討した.方法:2004年4月より2005年12月までに心電図同期MRAを撮影した未破裂脳動脈瘤の受診者29名(男性14名・女性15名),31動脈瘤を対象とした.内訳は,中大脳動脈系13個,内頚動脈系11個,前交通・前大脳動脈系6個,椎骨・脳底動脈系1個であった.瘤径の変化は長軸方向の瘤径を用いて,収縮期と拡張期での瘤径の比率を算出し正常血管の変化率との比較で判定した。形態変化はワークステーションを用いて作成した3次元画像で動脈瘤の一部に明らかな瘤壁の突出や拡張を認めた場合に形態変化があると判定した.結果:拡張期より収縮期で瘤径が有意に大きくなる動脈瘤は31個中6個(19%)であった.拡張期に比較して瘤壁の形態が明らかに変化する動脈瘤は31個中13個(42%)であった.内頚動脈系の動脈瘤に瘤径が変化するものが多く,前交通動脈系・中大脳動脈系に形態が変化するものが多く認められた.結論:瘤壁の一部の形態が変化する動脈瘤はその部分が脆弱であると考えられ,瘤壁の形態変化を認めない動脈瘤より将来破裂する危険性が高いと推測した.心電図同期MRAにより未破裂脳動脈瘤の破裂しやすさを個別に予測できる可能性があると考えられた. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock2005.21.866 |