細径内視鏡を用いた当院人間ドックにおける胃がん標準化発見比の検討
目的：人間ドックでの胃がん発見精度の評価方法として胃がん発見率が挙げられるが,母集団の性差，年齢分布により影響を受ける．そこで我々は標準化発見比を指標として用い，細径内視鏡を用いた当院人間ドックでの胃がん発見精度を調査した． 方法：2016年1月4日から1年間，当院人間ドックで上部消化管内視鏡検査を施行された4,927例において，胃がんの標準化発見比，発見率等を検討した． 結果：男性における胃がん存在期待値合計は3.48であり，胃がん発見症例数は13例であった．すなわち，男性での標準化発見比は3.74であった．特に65～69歳では存在期待値0.95に対して7例の胃がんを発見した．一方，女性での...
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| Published in | 人間ドック Vol. 32; no. 3; pp. 537 - 543 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2017
日本人間ドック学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
| DOI | 10.11320/ningendock.32.537 |
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| Abstract | 目的：人間ドックでの胃がん発見精度の評価方法として胃がん発見率が挙げられるが,母集団の性差，年齢分布により影響を受ける．そこで我々は標準化発見比を指標として用い，細径内視鏡を用いた当院人間ドックでの胃がん発見精度を調査した． 方法：2016年1月4日から1年間，当院人間ドックで上部消化管内視鏡検査を施行された4,927例において，胃がんの標準化発見比，発見率等を検討した． 結果：男性における胃がん存在期待値合計は3.48であり，胃がん発見症例数は13例であった．すなわち，男性での標準化発見比は3.74であった．特に65～69歳では存在期待値0.95に対して7例の胃がんを発見した．一方，女性での胃がん存在期待値合計は1.12，胃がん発見症例数は1例であり，標準化発見比は0.89であった．また，男女合算では，存在期待値4.60に対して14例の胃がんを発見しており，標準化発見比は3.04であった．さらには，胃がん発見率は男女合算で0.28%，年代別に解析すると，50～59歳では0.21%，60歳以上では0.78%であった． 結論：当院での人間ドックにおいて，胃がんの標準化発見比を検討することにより，罹患率が高い年齢層で確実に胃がんの発見，診断がなされていることが示された． |
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| AbstractList | 目的：人間ドックでの胃がん発見精度の評価方法として胃がん発見率が挙げられるが,母集団の性差，年齢分布により影響を受ける．そこで我々は標準化発見比を指標として用い，細径内視鏡を用いた当院人間ドックでの胃がん発見精度を調査した． 方法：2016年1月4日から1年間，当院人間ドックで上部消化管内視鏡検査を施行された4,927例において，胃がんの標準化発見比，発見率等を検討した． 結果：男性における胃がん存在期待値合計は3.48であり，胃がん発見症例数は13例であった．すなわち，男性での標準化発見比は3.74であった．特に65～69歳では存在期待値0.95に対して7例の胃がんを発見した．一方，女性での胃がん存在期待値合計は1.12，胃がん発見症例数は1例であり，標準化発見比は0.89であった．また，男女合算では，存在期待値4.60に対して14例の胃がんを発見しており，標準化発見比は3.04であった．さらには，胃がん発見率は男女合算で0.28%，年代別に解析すると，50～59歳では0.21%，60歳以上では0.78%であった． 結論：当院での人間ドックにおいて，胃がんの標準化発見比を検討することにより，罹患率が高い年齢層で確実に胃がんの発見，診断がなされていることが示された． 「要約」目的:人間ドックでの胃がん発見精度の評価方法として胃がん発見率が挙げられるが, 母集団の性差, 年齢分布により影響を受ける. そこで我々は標準化発見比を指標として用い, 細径内視鏡を用いた当院人間ドックでの胃がん発見精度を調査した. 方法:2016年1月4日から1年間, 当院人間ドックで上部消化管内視鏡検査を施行された4,927例において, 胃がんの標準化発見比, 発見率等を検討した. 結果:男性における胃がん存在期待値合計は3.48であり, 胃がん発見症例数は13例であった. すなわち, 男性での標準化発見比は3.74であった. 特に65～69歳では存在期待値0.95に対して7例の胃がんを発見した. 一方, 女性での胃がん存在期待値合計は1.12, 胃がん発見症例数は1例であり, 標準化発見比は0.89であった. また, 男女合算では, 存在期待値4.60に対して14例の胃がんを発見しており, 標準化発見比は3.04であった. さらには, 胃がん発見率は男女合算で0.28%, 年代別に解析すると, 50～59歳では0.21%, 60歳以上では0.78%であった. 結論:当院での人間ドックにおいて, 胃がんの標準化発見比を検討することにより, 罹患率が高い年齢層で確実に胃がんの発見, 診断がなされていることが示された. |
| Author | 中野, 朱美 森崎, 珠実 藤原, 靖弘 平田, 一人 田中, 史生 河田, 則文 大谷, 恒史 森川, 浩安 福本, 真也 木村, 達郎 |
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| Copyright | 2017 公益社団法人 日本人間ドック学会 |
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| CorporateAuthor | 大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学 大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学 大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 大阪市立大学大学院医学研究科 消化器内科学 |
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| PublicationTitle | 人間ドック |
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| PublicationYear | 2017 |
| Publisher | 公益社団法人 日本人間ドック学会 日本人間ドック学会 |
| Publisher_xml | – name: 公益社団法人 日本人間ドック学会 – name: 日本人間ドック学会 |
| References | 2）平嶋勇人，鍋田陽昭，小柳亮太ほか：当院での極細径内視鏡による胃がん検診の精度．日消がん検診誌 2016；54：528-538. 9）川田和昭，村上隼夫：静岡市胃がん内視鏡検診の現状と課題．日消がん検診誌 2016；54：242-247 10）原田直彦，平川克哉，北川晋二：福岡市胃がん内視鏡個別検診の現状．日消がん検診誌 2015；53：801-809 11）川田和昭：経鼻内視鏡検査導入後のドック・健診受診者の動向．人間ドック 2009；24：695-700 14）萩原廣明， 茂木文孝，山下由起子ほか：直接X線との対比による内視鏡胃がん検診の有用性．日消がん検診誌 2016；54：518-527 3）小林正夫，望月直美，西大路賢一ほか：細径内視鏡による胃がん検診の精度. 日消がん検診誌2014；52：705-714 5）木村達郎，福本真也，森川浩安ほか：胸部要精密検査判定の現況と呼び出しシステムの活用．人間ドック2017；31：661-667 6）鈴木隆一郎：肺癌の診断と治療．肺がん集検の新しい展開，メディカルコア，東京，1987，43-61. 13）日本消化器がん検診学会全国集計委員会：委員会報告 平成26年度消化器がん検診全国集計．http://www.jsgcs.or.jp/files/uploads/iinkai_h26.pdf ［2017.4.25］ 1）科学的根拠に基づくがん検診推進のページ：有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版．http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/igan.html ［2017.4.25］ 4）田中志乃，花田 梢，足立経一：人間ドックへの経鼻内視鏡検査導入後の胃癌発見率に関する検討．日消がん検診誌 2013；51：355-362 12）日本人間ドック学会：2015年「人間ドックの現況」．http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/.../09/2ebf31e708cb165bd2c0b68fae972994.pdf [2017.4.25] 7）山本兼右，久保次男，山崎秀男ほか：高濃度バリウムと新撮影法を採用した胃集検の評価．日消集検誌2004；42：163-168 8）国立がん研究センターがん情報サービス：がん登録・統計 2.罹患データ（全国推計値）地域がん登録全国推計によるがん罹患データ（1975年～2012年）．http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#incidence ［2017.4.25］ |
| References_xml | – reference: 1）科学的根拠に基づくがん検診推進のページ：有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版．http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/igan.html ［2017.4.25］ – reference: 3）小林正夫，望月直美，西大路賢一ほか：細径内視鏡による胃がん検診の精度. 日消がん検診誌2014；52：705-714． – reference: 11）川田和昭：経鼻内視鏡検査導入後のドック・健診受診者の動向．人間ドック 2009；24：695-700． – reference: 2）平嶋勇人，鍋田陽昭，小柳亮太ほか：当院での極細径内視鏡による胃がん検診の精度．日消がん検診誌 2016；54：528-538. – reference: 12）日本人間ドック学会：2015年「人間ドックの現況」．http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/.../09/2ebf31e708cb165bd2c0b68fae972994.pdf [2017.4.25] – reference: 13）日本消化器がん検診学会全国集計委員会：委員会報告 平成26年度消化器がん検診全国集計．http://www.jsgcs.or.jp/files/uploads/iinkai_h26.pdf ［2017.4.25］ – reference: 5）木村達郎，福本真也，森川浩安ほか：胸部要精密検査判定の現況と呼び出しシステムの活用．人間ドック2017；31：661-667． – reference: 7）山本兼右，久保次男，山崎秀男ほか：高濃度バリウムと新撮影法を採用した胃集検の評価．日消集検誌2004；42：163-168． – reference: 8）国立がん研究センターがん情報サービス：がん登録・統計 2.罹患データ（全国推計値）地域がん登録全国推計によるがん罹患データ（1975年～2012年）．http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#incidence ［2017.4.25］ – reference: 6）鈴木隆一郎：肺癌の診断と治療．肺がん集検の新しい展開，メディカルコア，東京，1987，43-61. – reference: 14）萩原廣明， 茂木文孝，山下由起子ほか：直接X線との対比による内視鏡胃がん検診の有用性．日消がん検診誌 2016；54：518-527． – reference: 4）田中志乃，花田 梢，足立経一：人間ドックへの経鼻内視鏡検査導入後の胃癌発見率に関する検討．日消がん検診誌 2013；51：355-362． – reference: 10）原田直彦，平川克哉，北川晋二：福岡市胃がん内視鏡個別検診の現状．日消がん検診誌 2015；53：801-809． – reference: 9）川田和昭，村上隼夫：静岡市胃がん内視鏡検診の現状と課題．日消がん検診誌 2016；54：242-247． |
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| SourceID | medicalonline jstage |
| SourceType | Publisher |
| StartPage | 537 |
| SubjectTerms | 存在期待値 標準化発見比 細径内視鏡 胃がん |
| Title | 細径内視鏡を用いた当院人間ドックにおける胃がん標準化発見比の検討 |
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