静的ストレッチングの伸長時間の違いが伸長部位の筋酸素飽和度および筋血流量に及ぼす影響
「I 目的」ストレッチングは, 関節可動域(柔軟性)の向上による運動パフォーマンスの向上, 運動による障害の予防と再発防止, 筋疲労からの回復促進など, コンディショニングにおいて重要な役割を果たすことが知られている. スタティック(静的)ストレッチング(Static Stretching; SST)は, 目的とする筋群を反動動作なしでゆっくりと伸長させ, 筋の伸長を30秒程度保持する方法である. そのため, SSTは, 筋や腱の損傷の危険性が低く, 安全に実施することが可能である. SSTがもたらす生理学的効果として, 血液循環の亢進が知られており(Alter, 2004), これは, SS...
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Published in | 体育学研究 Vol. 56; no. 2; pp. 423 - 433 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育学会
2011
日本体育学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
DOI | 10.5432/jjpehss.11032 |
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Summary: | 「I 目的」ストレッチングは, 関節可動域(柔軟性)の向上による運動パフォーマンスの向上, 運動による障害の予防と再発防止, 筋疲労からの回復促進など, コンディショニングにおいて重要な役割を果たすことが知られている. スタティック(静的)ストレッチング(Static Stretching; SST)は, 目的とする筋群を反動動作なしでゆっくりと伸長させ, 筋の伸長を30秒程度保持する方法である. そのため, SSTは, 筋や腱の損傷の危険性が低く, 安全に実施することが可能である. SSTがもたらす生理学的効果として, 血液循環の亢進が知られており(Alter, 2004), これは, SSTが筋疲労からの回復を促進させることを説明する生理学的根拠になっている. SSTの伸長時間について, アメリカスポーツ医学会(ACSM)のガイドラインでは痛みを感じない程度に15秒から30秒(American College of Sports Medicine, 2005), 全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)のテキストブックでは30秒(Baechle and Earle, 2008)実施することが推奨されている. |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.11032 |