胃X線検査結果報告における勧奨の個別化による精検受診率の向上

目的:当センターにおけるがん検診の事後管理は,要精検者に結果票とともに精密検査依頼書(以下,紹介状)を添付郵送し,その後未受診者には検診受診2ヵ月・5ヵ月後に受診勧奨文書を再送する運用である.定期的な受診勧奨にもかかわらず,胃X線検査における精検受診率は,他のがん検診に比べて低いのが現状である.そこで,胃X線検査の要精検者に対し,個々の結果に応じたメッセージ性の強い受診勧奨パンフレットを作成し,精検受診率向上に向けた取り組みを行ったので,その有効性を検討した. 方法:要精検者300名をA群:医師の結果説明あり,B群:結果説明で受診勧奨パンフレットを紹介状と同封,C群:結果説明で紹介状のみを送付...

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Published in人間ドック Vol. 31; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 林田, 明美, 當麻, 康弘, 原口, 泰子, 菅, 守隆, 満崎, 克彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2016
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.31.28

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Summary:目的:当センターにおけるがん検診の事後管理は,要精検者に結果票とともに精密検査依頼書(以下,紹介状)を添付郵送し,その後未受診者には検診受診2ヵ月・5ヵ月後に受診勧奨文書を再送する運用である.定期的な受診勧奨にもかかわらず,胃X線検査における精検受診率は,他のがん検診に比べて低いのが現状である.そこで,胃X線検査の要精検者に対し,個々の結果に応じたメッセージ性の強い受診勧奨パンフレットを作成し,精検受診率向上に向けた取り組みを行ったので,その有効性を検討した. 方法:要精検者300名をA群:医師の結果説明あり,B群:結果説明で受診勧奨パンフレットを紹介状と同封,C群:結果説明で紹介状のみを送付の3群に分類し,各群における精検受診率,精検受診までの期間を比較検討した. 結果:精検受診率はA群68%,B群65%,C群55%であった.受診勧奨パンフレットによって,医師結果説明とほぼ同等の受診勧奨効果を認めた.A群,B群,C群ともに検診後2ヵ月以内に7割以上が受診していた. 結語:受診勧奨パンフレットは,精検受診率の向上に寄与する有効なツールと考えられた.また,早期受診勧奨が精検受診率向上の一要因と考えられ,医師結果説明を徹底し,受診勧奨パンフレットを用いた早期の受診勧奨を行うことで,さらなる精検受診率向上が期待される.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.31.28