36 コースのCVD療法中に原発腫瘍とその局所再発腫瘍を計 3 回手術摘出できた悪性褐色細胞腫の 1 例

症例は 50 歳,男性。X 年に後腹膜腫瘍破裂で当院に救急搬送された。尿中ノルアドレナリ ン排泄量が高値で,123 I-MIBG シンチグラフィーと FDG-PET/CT で腫瘍と腹部大動脈周囲のリンパ節に集積が認められたため,悪性褐色細胞腫と診断した。腫瘍が下大静脈を巻き込んでいたため,手術は困難と判断した。CVD 療法を 17 コース施行した。明らかな腫瘍縮小効果が認められ,手術が可能と判断して 1 回目の腫瘍摘出術を施行した。X+2年に腫瘍の再発が認められたためCVD療法を再開した。しかし,CVD 療法の効果は減弱し,X+3 年に 2 回目,X+4 年に 3 回目の腫瘍摘出術を行い, C...

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Published inJAPANESE JOURNAL OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE Vol. 19; no. 4; pp. 248 - 251
Main Authors 浅野, 元尋, 不破, 雅之, 加藤, あや香, 森田, 浩之, 森, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病院総合診療医学会 31.07.2023
JAPAN SOCIETY OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE
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ISSN2185-8136
2758-7878
DOI10.60227/jhgmwabun.19.4_248

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Summary:症例は 50 歳,男性。X 年に後腹膜腫瘍破裂で当院に救急搬送された。尿中ノルアドレナリ ン排泄量が高値で,123 I-MIBG シンチグラフィーと FDG-PET/CT で腫瘍と腹部大動脈周囲のリンパ節に集積が認められたため,悪性褐色細胞腫と診断した。腫瘍が下大静脈を巻き込んでいたため,手術は困難と判断した。CVD 療法を 17 コース施行した。明らかな腫瘍縮小効果が認められ,手術が可能と判断して 1 回目の腫瘍摘出術を施行した。X+2年に腫瘍の再発が認められたためCVD療法を再開した。しかし,CVD 療法の効果は減弱し,X+3 年に 2 回目,X+4 年に 3 回目の腫瘍摘出術を行い, CVD 療法は 36 コースで終了した。本症例は悪性褐色細胞腫で 3 回の腫瘍摘出を行えた症例である。悪性褐色細胞腫は肺や肝のような重要臓器に転移するよりも骨転移頻度が高く,手術に耐えうる状態であったこと。また本症例ではカテコラミン過剰産生による全身状態の悪化が軽度であったためと考える。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.19.4_248