加齢による難聴を放っておくと健康寿命が縮む!?健康に生きるための補聴器装用のススメ

「はじめに」高齢者が難聴であることは, 社会的孤立, 鬱, 認知症, フレイルに陥る危険性を高めるという研究結果が報告されている. 一方, 補聴器を装用することによって, これらの発症や進行が抑えられるという研究結果も報告されている. つまり, 高齢者の難聴はただ単に「聞こえない」というだけの問題ではなく「健康に生きられない」という重大な問題をはらんでいる. 超高齢社会の日本において, 高齢者が元気に社会の第一線で活躍し続けられるかは国力に関わる重大課題である. 聴力についての様々な問題を考えるとき, 「単純な音情報」は耳と脳とが絶えず情報を交換仕合い, やっと「意味ある言葉」としてコミュニケ...

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Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 49; no. 4; pp. 287 - 289
Main Author 増田, 正次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 28.12.2018
The Kyorin Medical Society
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.49.287

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Summary:「はじめに」高齢者が難聴であることは, 社会的孤立, 鬱, 認知症, フレイルに陥る危険性を高めるという研究結果が報告されている. 一方, 補聴器を装用することによって, これらの発症や進行が抑えられるという研究結果も報告されている. つまり, 高齢者の難聴はただ単に「聞こえない」というだけの問題ではなく「健康に生きられない」という重大な問題をはらんでいる. 超高齢社会の日本において, 高齢者が元気に社会の第一線で活躍し続けられるかは国力に関わる重大課題である. 聴力についての様々な問題を考えるとき, 「単純な音情報」は耳と脳とが絶えず情報を交換仕合い, やっと「意味ある言葉」としてコミュニケーションツールになり得ているということを忘れてはならない. いわば, 耳-脳聴覚ループの形成により「音」が「言葉」としてコミュニケーションツールになるのである. 高齢者では耳だけでなく脳機能を含めた聴覚路全体に機能の低下が生じている.
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.49.287