卵巣摘出ラットの脂肪蓄積に及ぼすコレウスフォルスコリの影響
閉経後の女性が肥満になり易いことはよく知られている. 1) 肥満とは皮下や内臓の周りにある脂肪組織の脂肪細胞に過剰の脂肪が蓄積した病態のことである. 脂肪細胞内の脂肪はリパーゼの作用で分解され, 生じたグリセロールや脂肪酸は肝臓や筋肉で代謝される. この脂肪の分解を促進するのが交感神経の末端から分泌されるノルアドレナリンや副腎髄質から分泌されるアドレナリン, 脳下垂体前葉から分泌されるACTH等のホルモンである. 一方, 脂肪合成を促進するのはインスリンやリポ蛋白リパーゼである. 最近, 山口ら2)は卵胞ホルモン分泌の高い発情前期から発情期にかけては脂肪細胞におけるノルアドレナリンによる脂肪分...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 125; no. 5; pp. 449 - 453 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2005
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.125.449 |
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Summary: | 閉経後の女性が肥満になり易いことはよく知られている. 1) 肥満とは皮下や内臓の周りにある脂肪組織の脂肪細胞に過剰の脂肪が蓄積した病態のことである. 脂肪細胞内の脂肪はリパーゼの作用で分解され, 生じたグリセロールや脂肪酸は肝臓や筋肉で代謝される. この脂肪の分解を促進するのが交感神経の末端から分泌されるノルアドレナリンや副腎髄質から分泌されるアドレナリン, 脳下垂体前葉から分泌されるACTH等のホルモンである. 一方, 脂肪合成を促進するのはインスリンやリポ蛋白リパーゼである. 最近, 山口ら2)は卵胞ホルモン分泌の高い発情前期から発情期にかけては脂肪細胞におけるノルアドレナリンによる脂肪分解が高く, また卵胞ホルモン分泌の低い発情後期から発情間期にかけては脂肪細胞から分泌されるリポ蛋白リパーゼ活性が高く, さらにリポ蛋白リパーゼとインスリン分泌とが正の相関を示し, 脂肪合成が促進していることを報告した. さらに卵巣を摘出したラットにおいては, 脂肪細胞の脂肪合成が高まり脂肪分解が低下していることを報告した. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.125.449 |