CT Perfusionにおける被ばく低減の検討

【目的】CT灌流画像(CT perfusion: CTP)は,脳血流量を定量的に評価する検査法であり,検査の簡便性や迅速性から有用性の高い検査法である.しかし,1回の検査を施行する際に複数回照射するため,患者への被ばくが大きい.当院では,メーカー推奨のプロトコルで撮影を行っているが,スキャン回数を減らすことで,結果に影響を及ぼさず被ばく線量を低減できるかどうか,後ろ向きに検討を行った.【方法】脳虚血性患者でCTPを施行し,通常のプロトコルのデータ(早期相16スキャン+後期相4スキャン)と,早期相を半分の8スキャンに間引いたデータをそれぞれ解析にかけた.解析のアルゴリズムにはベイズ推定法を用い,...

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Published in脳血管内治療 Vol. 8; no. 2; pp. 49 - 54
Main Authors 戸田, 博幸, 森下, 猛史, 坂口, 隆, 磯崎, 潤, 佐藤, 文貴, 高瀬, 香奈, 増尾, 修, 鐵尾, 佳章, 田邉, 頌章, 青柳, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2023
日本脳神経血管内治療学会
Subjects
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ISSN2423-9119
2424-1709
DOI10.20626/nkc.oa.2023-0003

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Summary:【目的】CT灌流画像(CT perfusion: CTP)は,脳血流量を定量的に評価する検査法であり,検査の簡便性や迅速性から有用性の高い検査法である.しかし,1回の検査を施行する際に複数回照射するため,患者への被ばくが大きい.当院では,メーカー推奨のプロトコルで撮影を行っているが,スキャン回数を減らすことで,結果に影響を及ぼさず被ばく線量を低減できるかどうか,後ろ向きに検討を行った.【方法】脳虚血性患者でCTPを施行し,通常のプロトコルのデータ(早期相16スキャン+後期相4スキャン)と,早期相を半分の8スキャンに間引いたデータをそれぞれ解析にかけた.解析のアルゴリズムにはベイズ推定法を用い,視覚評価と定量評価で比較した.視覚評価は,4名の評価者が一対比較法による評価を行った.定量評価は,大脳皮質領域両側にregion of interest(ROI)を設定し,各解析法について対側比の値を比較した.【結果】視覚評価では,すべてのパラメータで通常データと間欠データに有意差は認められなかった.定量評価においても同様であった.【結論】メーカー推奨のプロトコルよりも少ないスキャン回数にしても,結果に影響を及ぼさない範囲で,被ばく線量を減らすことができることが示唆された.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.oa.2023-0003