術前デュタステリド内服は光選択的前立腺レーザー蒸散術の治療成績に影響を及ぼさない

デュタステリドが光選択的前立腺レーザー蒸散術の周術期成績や術後経過に及ぼす影響を検討した. 当院で前立腺肥大症に対して光選択的前立腺レーザー蒸散術を施行した症例のうち, 術前にデュタステリドとα1遮断薬を併用内服していた23例と, α1遮断薬単独内服の31例, 計54例を対象として後方視的に比較した. 全症例の年齢は72歳・前立腺体積は58.5 mL (中央値). 手術時間, レーザー出力量・照射時間, 蒸散させた前立腺単位体積当たりのレーザー量・時間 (蒸散効率), 術前後のヘモグロビン変化において両群間に有意な差は認めなかった. 両群ともIPSSや最大尿流率, 残尿量は術後1カ月より改善し...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 34; no. 2; pp. 356 - 361
Main Authors 中川, 徹, 山田, 幸央, 萩原, 奏, 高橋, さゆり, 佐々木, 賢一, 木村, 将貴, 金子, 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 2021
Japanese Society of Endourology
Subjects
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.34.356

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Summary:デュタステリドが光選択的前立腺レーザー蒸散術の周術期成績や術後経過に及ぼす影響を検討した. 当院で前立腺肥大症に対して光選択的前立腺レーザー蒸散術を施行した症例のうち, 術前にデュタステリドとα1遮断薬を併用内服していた23例と, α1遮断薬単独内服の31例, 計54例を対象として後方視的に比較した. 全症例の年齢は72歳・前立腺体積は58.5 mL (中央値). 手術時間, レーザー出力量・照射時間, 蒸散させた前立腺単位体積当たりのレーザー量・時間 (蒸散効率), 術前後のヘモグロビン変化において両群間に有意な差は認めなかった. 両群ともIPSSや最大尿流率, 残尿量は術後1カ月より改善し, 術後1年経過後も改善が維持されていた. デュタステリド術前内服は光選択的前立腺レーザー蒸散術の周術期, 術後成績で不利益になる影響は認めず, 排尿状態の改善が得られた.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.34.356