新しい創縫合器“Proximate”の使用経験

• Published in: 医療 Vol. 35; no. 5; pp. 477 - 481
• Main Authors: 岡田, 菊三, 野末, 洋, 安藤, 謙一, 添田, 修一, 戸山, 芳昭, 勝目, 茂樹
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 国立医療学会 1981; 医療同好会
• ISSN: 0021-1699; 1884-8729
• DOI: 10.11261/iryo1946.35.477

私どもの病院においては, 手術件数の増加のため, 手術時間の短縮を図ることが焦眉の急となつている. しかし手術そのものの時間を短縮することは比較的むずかしく, 最後の創縫合時間のみが人為的に短縮可能であり, 簡便な自動縫合器の開発が待たれていたところ, 海外文献によつて米国エチコン社製“Proximate”というデイスポーザブルスキンステイプラーの使用例に接し, すぐれたその性能に注目した. Proximateの簡便な使用方法を述べ, 次いで整形外科の12症例に用いたところ, ラブ手術を除く10症例に優良な創痕が得られた. あわせて10cm内外の創が1分強の時間で縫合可能で, 在来の縫合法に比較して明らかに手術時間の短縮が得られた. 簡便な使用方法, 縫合時間の短縮化, 優良な創痕という諸点からみて, Proximateは極めて有用な皮膚自動縫合器であり, 各科の手術に導入されることが待たれる.