欧米におけるサプリメントに対する取組み

「1. はじめに」サプリメントに対する制度化の取り組みは, 過去十数年間, 欧米をはじめとする多くの国で積極的に進められてきた. この制度化が進められる状況の背後には, 健康政策の見直しと栄養成分の機能を前提とするサプリメントの存在意義に対する見直し, サプリメントに対する消費者の需要の高まりなどがあるように思われる. 現在, 海外の主要国における取り組みは, ヘルスクレームを表示する制度の確立とサプリメントに対する法制度化として結実している. このような海外における状況は, 日本の健康食品制度の進め方とはかなり趣を異にしているが, その根底には健康政策の上での栄養成分の持つ機能性への取り組み...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 128; no. 6; pp. 839 - 850
Main Author 大濱, 宏文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.06.2008
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.128.839

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Summary:「1. はじめに」サプリメントに対する制度化の取り組みは, 過去十数年間, 欧米をはじめとする多くの国で積極的に進められてきた. この制度化が進められる状況の背後には, 健康政策の見直しと栄養成分の機能を前提とするサプリメントの存在意義に対する見直し, サプリメントに対する消費者の需要の高まりなどがあるように思われる. 現在, 海外の主要国における取り組みは, ヘルスクレームを表示する制度の確立とサプリメントに対する法制度化として結実している. このような海外における状況は, 日本の健康食品制度の進め方とはかなり趣を異にしているが, その根底には健康政策の上での栄養成分の持つ機能性への取り組み方の違いがあるように思われる. 現在欧米において, サプリメントに対する取り組みとしての最重要課題は安全性である. 安全性の確保はリスクアナリシスの手法によって実施されているが, 特に, 有効性評価との関連で取り上げられるリスク/ベネフィット・アナリシスの視点での見直しに関心が持たれ始めている. 本稿では, 欧米において進められているサプリメントの制度化を, 日本の健康食品制度との対比において紹介し, 特に最近, 海外で重要視されてきているサプリメントの課題について述べる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.128.839