胆道癌の内視鏡診断~ERCP関連手技を中心に

胆管癌の診断は,良悪性の鑑別診断と治療方針・手術術式決定のための進展度診断が必要となり,ERCP関連手技は大きな役割を担っている.ERCP関連手技には胆管造影,IDUS,細胞診,組織診,胆道鏡がある.良性胆管狭窄との鑑別診断能は,胆管造影所見は感度74%-85%,特異度70%-75%,正診率72%-80%,細胞診は感度30-57%,特異度90-100%,生検は43-81%,特異度90-100%,胆道鏡は感度89-96%と報告されている.進展度診断には垂直方向の進展と水平方向の進展があり,術式決定に際しては特に水平方向進展度診断が重要となる.乳頭型や結節膨張型では表層進展が多く,結節浸潤型や平坦...

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Published inTando Vol. 31; no. 2; pp. 180 - 186
Main Authors 矢根, 圭, 潟沼, 朗生, 古賀, 毅彦, 高橋, 邦幸, 金, 俊文, 真口, 宏介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2017
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.31.180

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Summary:胆管癌の診断は,良悪性の鑑別診断と治療方針・手術術式決定のための進展度診断が必要となり,ERCP関連手技は大きな役割を担っている.ERCP関連手技には胆管造影,IDUS,細胞診,組織診,胆道鏡がある.良性胆管狭窄との鑑別診断能は,胆管造影所見は感度74%-85%,特異度70%-75%,正診率72%-80%,細胞診は感度30-57%,特異度90-100%,生検は43-81%,特異度90-100%,胆道鏡は感度89-96%と報告されている.進展度診断には垂直方向の進展と水平方向の進展があり,術式決定に際しては特に水平方向進展度診断が重要となる.乳頭型や結節膨張型では表層進展が多く,結節浸潤型や平坦型は壁内進展が多いとされている.また,肝門部領域胆管癌は結節型と平坦型,遠位胆管癌では乳頭型と結節型の頻度が高く,進展様式に応じた検査法の選択が必要である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.31.180