IgG4関連硬化性胆管炎
IgG4硬化性胆管炎(IgG4-SC)は血中IgG4値の上昇,病変局所の線維化とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤を特徴とする原因不明の硬化性胆管炎である.診断は画像所見,高IgG4血症,胆管外のIgG4関連疾患の存在および胆管壁の病理組織学所見からなるIgG4-SC臨床診断基準2012で可能である.胆管像分類は鑑別診断に有用である.下部胆管狭窄では胆管癌および膵癌を鑑別する.肝内胆管の多発性狭窄では原発性硬化性胆管炎との鑑別が重要である.肝門部狭窄では胆管癌を除外する必要がある.自己免疫性膵炎を伴わないIsolated IgG4-SCの診断は難しい.治療はステロイド治療が標準治療であり,経口プ...
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Published in | Tando Vol. 31; no. 2; pp. 171 - 179 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2017
Japan Biliary Association |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.31.171 |
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Summary: | IgG4硬化性胆管炎(IgG4-SC)は血中IgG4値の上昇,病変局所の線維化とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤を特徴とする原因不明の硬化性胆管炎である.診断は画像所見,高IgG4血症,胆管外のIgG4関連疾患の存在および胆管壁の病理組織学所見からなるIgG4-SC臨床診断基準2012で可能である.胆管像分類は鑑別診断に有用である.下部胆管狭窄では胆管癌および膵癌を鑑別する.肝内胆管の多発性狭窄では原発性硬化性胆管炎との鑑別が重要である.肝門部狭窄では胆管癌を除外する必要がある.自己免疫性膵炎を伴わないIsolated IgG4-SCの診断は難しい.治療はステロイド治療が標準治療であり,経口プレドニゾロン0.6mg/kg/日を2~4週間投与後漸減する.ほとんどの場合ステロイド治療が奏功するが,ステロイド治療後胆管像に程度の差があるが狭窄が残存することもある.予後はおおむね良好と考えられるが,長期予後は不明である. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.31.171 |