本邦における新生児血小板減少症の集計調査

日本血小板・顆粒球型ワークショップの参加施設の協力を得て2007年4月から2009年3月までの2年間に各依頼施設に検査依頼があり,血小板数が15×104/μl未満であった66症例を対象とし,集計調査を行った.新生児溶血性疾患と異なり,初回妊娠から発症した症例が多くみられた.母親の妊娠回数,輸血歴,既往歴における血小板抗体陽性率に有意差はみられなかった.患児の頭蓋内出血の有無別にみた在胎週数,出生時体重,患児血小板数に有意差はみられなかった.抗体特異性はHLA抗体単独例が33.3%,HPA抗体が21.2%,陰性が40.9%で,HPA抗体陽性例の血小板交差適合試験は全て陽性であった.HPA抗体の特...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 56; no. 4; pp. 508 - 514
Main Authors 飯野, 美穂, 井上, 進, 二上, 由紀, 小林, 洋紀, 加藤, 尚美, 森田, 庄治, 石島, あや子, 柴田, 洋一, 溝口, 秀昭, 南, 陸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2010
日本輸血・細胞治療学会
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Summary:日本血小板・顆粒球型ワークショップの参加施設の協力を得て2007年4月から2009年3月までの2年間に各依頼施設に検査依頼があり,血小板数が15×104/μl未満であった66症例を対象とし,集計調査を行った.新生児溶血性疾患と異なり,初回妊娠から発症した症例が多くみられた.母親の妊娠回数,輸血歴,既往歴における血小板抗体陽性率に有意差はみられなかった.患児の頭蓋内出血の有無別にみた在胎週数,出生時体重,患児血小板数に有意差はみられなかった.抗体特異性はHLA抗体単独例が33.3%,HPA抗体が21.2%,陰性が40.9%で,HPA抗体陽性例の血小板交差適合試験は全て陽性であった.HPA抗体の特異性はHPA-4b抗体が最も多く,次いでHPA-5b抗体が多かった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.56.508