急性胆管炎における凝固異常に関する検討

急性胆管炎の凝固異常について検討した.当施設で経験した127例を後ろ向きに解析した.Tokyo Guidelines 2013(TG13)での軽症/中等症/重症は各々55例/51例/21例であった.急性期DIC診断基準において播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された症例は20例(16%)であり,TG13軽症/中等症/重症で各々1例/3例/16例であった.長期入院の予測因子の単変量解析ではTG13重症(p=0.0003),TG13中等症以上(p=0.0067),SIRS陽性(p=0.039)およびDIC有(p=0.0009)が有意な因子であり,多変量解析ではTG13重症が唯一の有意な因子(p...

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Published inTando Vol. 31; no. 5; pp. 787 - 792
Main Authors 濱野, 徹也, 戸張, 真紀, 西野, 隆義, 橋本, 佳恵, 新村, 秀樹, 菅, 元泰, 白戸, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2017
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.31.787

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Summary:急性胆管炎の凝固異常について検討した.当施設で経験した127例を後ろ向きに解析した.Tokyo Guidelines 2013(TG13)での軽症/中等症/重症は各々55例/51例/21例であった.急性期DIC診断基準において播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された症例は20例(16%)であり,TG13軽症/中等症/重症で各々1例/3例/16例であった.長期入院の予測因子の単変量解析ではTG13重症(p=0.0003),TG13中等症以上(p=0.0067),SIRS陽性(p=0.039)およびDIC有(p=0.0009)が有意な因子であり,多変量解析ではTG13重症が唯一の有意な因子(p=0.005)であった.TG13の軽症,中等症でもDICを合併することが明らかになり,急性期DIC診断基準は,TG13重症度判定基準の補助診断として寄与すると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.31.787