術前に胆管癌と診断された肝外胆管原発神経内分泌腫瘍の1例

肝外胆管原発神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)は消化器発生NETの0.1~0.2%と極めて稀である.今回,胆管癌と類似の画像所見・細胞診所見を呈した肝外胆管原発NETの一例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.症例は78歳,男性.体重減少,黄疸を主訴に近医を受診した.血液検査とCT検査を施行され,胆管癌が疑われたため当科紹介となった.当院での造影CT検査では,中部胆管に遅延性に濃染される限局性の壁肥厚を認め,EUS,管腔内超音波検査では,中部胆管に13×9mmの辺縁不整な低エコー充実性腫瘤を認めた.ERCP下に胆汁細胞診,胆管擦過細胞診を行い,共にClas...

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Published inTando Vol. 30; no. 1; pp. 84 - 90
Main Authors 後藤, 佳登, 森, 泰寿, 宮坂, 義浩, 中村, 雅史, 大石, 善丈, 木村, 英世, 伊達, 健治朗, 小田, 義直, 松永, 壮人, 藤本, 崇聡, 大塚, 隆生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2016
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.30.84

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Summary:肝外胆管原発神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)は消化器発生NETの0.1~0.2%と極めて稀である.今回,胆管癌と類似の画像所見・細胞診所見を呈した肝外胆管原発NETの一例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.症例は78歳,男性.体重減少,黄疸を主訴に近医を受診した.血液検査とCT検査を施行され,胆管癌が疑われたため当科紹介となった.当院での造影CT検査では,中部胆管に遅延性に濃染される限局性の壁肥厚を認め,EUS,管腔内超音波検査では,中部胆管に13×9mmの辺縁不整な低エコー充実性腫瘤を認めた.ERCP下に胆汁細胞診,胆管擦過細胞診を行い,共にClass V(腺癌)であった.以上より,肝外胆管癌の診断で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,腫瘍細胞は索状構造やロゼット形成を呈し,クロモグラニンA,シナプトフィジンが共に陽性で,肝外胆管原発NETと診断した.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.30.84