輸血用血液製剤の血液型確認検査の自動化と,コンピュータクロスマッチに対応した輸血管理システムの構築

コンピュータクロスマッチを採用する場合,輸血用血液製剤の血液型確認検査は必須である.多くの施設でコンピュータによる輸血管理システムが導入されているが,製剤の血液型検査結果はシステムに反映されていない.また検査手技も用手法が主流であり,検査過誤の可能性もある.我々は,赤血球製剤の血液型確認検査の自動化と,製剤データベースへの検査結果登録をシステム化することにより,「輸血療法の実施に関する指針」の示す,コンピュータクロスマッチの条件を満たす輸血管理システムの構築を行い,人為的な誤りの排除と,手順の合理化・省力化を実現した.コンピュータクロスマッチの適応は,臨床的に問題となる抗体が過去に検出されてい...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 56; no. 1; pp. 52 - 56
Main Authors 相川, 佳子, 梶原, 道子, 大石, 裕紀子, 大友, 直樹, 土屋, 有紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2010
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.56.52

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Summary:コンピュータクロスマッチを採用する場合,輸血用血液製剤の血液型確認検査は必須である.多くの施設でコンピュータによる輸血管理システムが導入されているが,製剤の血液型検査結果はシステムに反映されていない.また検査手技も用手法が主流であり,検査過誤の可能性もある.我々は,赤血球製剤の血液型確認検査の自動化と,製剤データベースへの検査結果登録をシステム化することにより,「輸血療法の実施に関する指針」の示す,コンピュータクロスマッチの条件を満たす輸血管理システムの構築を行い,人為的な誤りの排除と,手順の合理化・省力化を実現した.コンピュータクロスマッチの適応は,臨床的に問題となる抗体が過去に検出されていないという情報を基に決定しているが,自施設での情報のみに依存している現状がある.施設間情報共有のため最小限の機能的要件を含めた「輸血情報管理指針」の作成が望まれる.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.56.52