コレステロール負荷食ウサギの脂質異常に対するPravastatin先発医薬品と後発医薬品の効果

「はじめに」高齢化社会による国民医療費の高騰を是正するため, 政府は高額医療費が伴う心疾患, 脳血管疾患治療などの重篤な疾病に罹患する前に積極的な治療を行うため, 内臓脂肪蓄積を基盤として高脂血症, 糖尿病, 高血圧に関する疾病が2つ以上併発したものをメタボリックシンドロームと診断し, 国民の疾病に対する意識改善と早期治療の体制を整えてきた. 心疾患, 脳血管疾患に起因する動脈硬化症は, 血清脂質の中性脂肪増加や低密度リポタンパク(LDL)コレステロール増加, 高密度リポタンパク(HDL)コレステロール低下などの高脂血症と密接な関係がある.1) 臨床では動脈硬化疾患の発症や進展抑制のために,...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 1; pp. 155 - 161
Main Authors 早勢, 伸正, 高栗, 郷, 田口, 睦, 佐藤, 久美, 金田, 繁, 市原, 和夫, 加納, 誠一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2009
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.155

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Summary:「はじめに」高齢化社会による国民医療費の高騰を是正するため, 政府は高額医療費が伴う心疾患, 脳血管疾患治療などの重篤な疾病に罹患する前に積極的な治療を行うため, 内臓脂肪蓄積を基盤として高脂血症, 糖尿病, 高血圧に関する疾病が2つ以上併発したものをメタボリックシンドロームと診断し, 国民の疾病に対する意識改善と早期治療の体制を整えてきた. 心疾患, 脳血管疾患に起因する動脈硬化症は, 血清脂質の中性脂肪増加や低密度リポタンパク(LDL)コレステロール増加, 高密度リポタンパク(HDL)コレステロール低下などの高脂血症と密接な関係がある.1) 臨床では動脈硬化疾患の発症や進展抑制のために, スタチンによる治療を行う. スタチンは3-Hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A(HMG-CoA)還元酵素阻害薬で, 肝臓細胞内におけるHMG-CoA還元酵素を阻害し, コレステロールの生合成を低下させ, 肝臓の貯蔵コレステロールを減少させる.2) スタチンにより肝臓の貯蔵コレステロールが減少すると, 肝細胞膜にLDL受容体が誘導され, 血中のLDL-コレステロールが肝への取り込みを増加し, 循環血中コレステロール含量が減少して脂質異常を改善する.3-6)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.155