特異的PCR法を用いたCronobacter属7菌種の同定およびISO/TS 22964で検出される偽陽性菌との鑑別

Cronobacter spp. は,乳幼児に対し,まれではあるが重篤な感染症を引き起こす病原菌であり,いくつかの事例では乳児用調製粉乳の微量汚染が関与していることが知られている.Cronobacter 属は7菌種3亜種から構成されているが,これらを簡便に同定できる手法はほとんど報告されていない.そこで,我々はCronobacter 属および種に特異的なPCR法を用いて,Cronobacter 属7菌種を簡便に同定できる手順を示した.また,本研究結果において,ISO/TS 22964: 2006ではF. pulveris が偽陽性反応を示すことが明らかとなった.一連の同定法を用いることにより,...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 194 - 201
Main Authors 西原, 正晴, 山本, 孝, 須藤, 朋子, 石井, 哲, 宮本, 真理, 柳平, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 2016
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ISSN1340-8267
1882-5982
DOI10.5803/jsfm.33.194

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Summary:Cronobacter spp. は,乳幼児に対し,まれではあるが重篤な感染症を引き起こす病原菌であり,いくつかの事例では乳児用調製粉乳の微量汚染が関与していることが知られている.Cronobacter 属は7菌種3亜種から構成されているが,これらを簡便に同定できる手法はほとんど報告されていない.そこで,我々はCronobacter 属および種に特異的なPCR法を用いて,Cronobacter 属7菌種を簡便に同定できる手順を示した.また,本研究結果において,ISO/TS 22964: 2006ではF. pulveris が偽陽性反応を示すことが明らかとなった.一連の同定法を用いることにより,F. pulveris をCronobacter と誤同定することなく,Cronobacter 属7菌種をそれぞれ同定可能であることが確認された.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.33.194