介護保険関連施設における口腔ケアの現状と今後の課題に関する調査報告

要介護高齢者の直接死因は肺炎が最も多いと言われており,高齢者の肺炎の約半数が誤嚥性肺炎であると推測されている.この肺炎を予防するために介護予防に「口腔機能向上」が導入された.本研究では,某県の介護保険関連施設337施設を対象にアンケート調査を行い,279施設から回答を得た.調査内容の一部である口腔ケアに関する質問項目について,施設の形態別,研修参加および歯科医師への相談体制の有無別に検討した. 施設の形態を問わず,口腔ケアの必要性に対する意識は高いものの,実際に行うには自信をもてない職員が多いことが明らかとなった.また,口腔ケアに関する研修会への参加や,歯科医師への相談体制を整えることが自信を...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 63; no. 3; pp. 115 - 121
Main Authors 服部, 信一, 柿木, 保明, 上森, 尚子, 唐木, 純一, 尾崎, 由衛, 木村, 貴之, 榊原, 葉子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 2009
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ISSN0368-6833
1880-8719
DOI10.2504/kds.63.115

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Summary:要介護高齢者の直接死因は肺炎が最も多いと言われており,高齢者の肺炎の約半数が誤嚥性肺炎であると推測されている.この肺炎を予防するために介護予防に「口腔機能向上」が導入された.本研究では,某県の介護保険関連施設337施設を対象にアンケート調査を行い,279施設から回答を得た.調査内容の一部である口腔ケアに関する質問項目について,施設の形態別,研修参加および歯科医師への相談体制の有無別に検討した. 施設の形態を問わず,口腔ケアの必要性に対する意識は高いものの,実際に行うには自信をもてない職員が多いことが明らかとなった.また,口腔ケアに関する研修会への参加や,歯科医師への相談体制を整えることが自信をもって口腔ケアを行うことにつながることも示唆された.以上のことから,今後は口腔ケアに関する教育や歯科医師との連携などの普及に取り組む必要があると考えられた.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.63.115