ICUでの脳波モニタリングの実際と臨床検査技師の役割

最近, ICUの臨床現場で脳波モニタリング「Critical Care EEG」の有用性が高まり普及しつつある。「Critical Care EEG」は, 急性期の重症脳神経疾患に対する脳波検査であり, 持続脳波モニタリング (cEEG) として24時間から数日間にわたり脳波を記録しつづける検査のことを示す。主な目的は非痙攣性てんかん重積状態 (NCSE) および非痙攣性てんかん発作 (NCSz) の診断および治療効果判定である。明らかな運動症状を伴わない発作を捕捉するためには脳波検査は必須である。NCSEは神経学的予後不良因子であるため, 迅速な脳波検査と早急な治療介入が必要となる。すなわち...

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Published inJapanese Journal of Clinical Neurophysiology Vol. 52; no. 3; pp. 230 - 240
Main Author 福地, 聡子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.06.2024
Japanese Society of Clinical Neurophysiology
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.52.230

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Summary:最近, ICUの臨床現場で脳波モニタリング「Critical Care EEG」の有用性が高まり普及しつつある。「Critical Care EEG」は, 急性期の重症脳神経疾患に対する脳波検査であり, 持続脳波モニタリング (cEEG) として24時間から数日間にわたり脳波を記録しつづける検査のことを示す。主な目的は非痙攣性てんかん重積状態 (NCSE) および非痙攣性てんかん発作 (NCSz) の診断および治療効果判定である。明らかな運動症状を伴わない発作を捕捉するためには脳波検査は必須である。NCSEは神経学的予後不良因子であるため, 迅速な脳波検査と早急な治療介入が必要となる。すなわち, 「Critical Care EEG」は緊急検査である。迅速な臨床検査技師による関与が患者の予後を左右するといっても過言ではない。さらに, 検査の質は臨床検査技師の関わり方次第で大きく変わる。本稿では, 当院のICUで行われている脳波モニタリング「Critical Care EEG」の実際と臨床検査技師の役割について述べる。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.52.230