高齢者の陰茎絞扼症の1例

「緒言」陰茎絞扼症は, 陰茎が異物により圧迫・絞扼され, 循環障害のため絞扼部位より末梢側の陰茎浮腫や腫脹を来す. 早期の絞扼解除が重要であり, 泌尿器科領域における救急疾患の一つである. 今回われわれは, 高齢者の陰茎絞扼症を経験した. 本症例は, 敗血症や皮膚壊死を合併しており, 緊急陰茎全摘術や複数回のデブリードマンを行うなど集学的な治療を要した. 「症例」患者:82歳 男性 主訴:発熱, 陰茎腫脹 既往歴:特記事項なし 現病歴:ペットボトルによる自慰後に, ペットボトルの口が陰茎から抜けなくなるも放置. 3日目に発熱と陰茎腫脹増悪を来し前医を受診. 陰茎絞扼症による尿閉の診断にて膀胱瘻...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 17; no. 1; pp. 21 - 24
Main Authors 近藤, 幸尋, 上田, 貴之, 大林, 康太郎, 柴﨑, 幹生, 土肥, 輝之, 遠藤, 勇気, 長谷川, 裕也, 三神, 晃, 林, 達郎, 赤塚, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 19.02.2021
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.17.21

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Summary:「緒言」陰茎絞扼症は, 陰茎が異物により圧迫・絞扼され, 循環障害のため絞扼部位より末梢側の陰茎浮腫や腫脹を来す. 早期の絞扼解除が重要であり, 泌尿器科領域における救急疾患の一つである. 今回われわれは, 高齢者の陰茎絞扼症を経験した. 本症例は, 敗血症や皮膚壊死を合併しており, 緊急陰茎全摘術や複数回のデブリードマンを行うなど集学的な治療を要した. 「症例」患者:82歳 男性 主訴:発熱, 陰茎腫脹 既往歴:特記事項なし 現病歴:ペットボトルによる自慰後に, ペットボトルの口が陰茎から抜けなくなるも放置. 3日目に発熱と陰茎腫脹増悪を来し前医を受診. 陰茎絞扼症による尿閉の診断にて膀胱瘻造設されたが, 追加治療が必要のため当科紹介受診となった. 現症:Glasgow Coma Scale:15点, 体温37.0℃, 血圧108/62 mmHg, 心拍数82 bpm, 呼吸数16回/分, SpO2 96%(room air), Sequential Organ Failure Assessment score:2点.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.17.21