熊本県の妊婦における歯科健診の実態
「緒言」熊本県では過去20年から今日まで, 超・極低出生体重児の出生率が全国平均に比して高い傾向が続いている. 県ではその状況を改善するために, 平成16年度に「ハイリスク新生児問題検討委員会」を設置して解析を行った結果, 超・極低出生体重児増加の主要な原因として早産が抽出された. そこで, 熊本県では2007年から熊本大学医学部附属病院, 産科・歯科医療機関, 行政が連携しながら, 早産のリスク因子である絨毛膜羊膜炎, 歯周病及び生活習慣への対策を多角的に実施する早産予防対策事業として「RAINBOW Project」を進めてきた. 絨毛膜羊膜炎と歯周病は高サイトカイン血症を介して早産を引き...
Saved in:
Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 70; no. 2; pp. 167 - 172 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
2015
日本衛生学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.70.167 |
Cover
Summary: | 「緒言」熊本県では過去20年から今日まで, 超・極低出生体重児の出生率が全国平均に比して高い傾向が続いている. 県ではその状況を改善するために, 平成16年度に「ハイリスク新生児問題検討委員会」を設置して解析を行った結果, 超・極低出生体重児増加の主要な原因として早産が抽出された. そこで, 熊本県では2007年から熊本大学医学部附属病院, 産科・歯科医療機関, 行政が連携しながら, 早産のリスク因子である絨毛膜羊膜炎, 歯周病及び生活習慣への対策を多角的に実施する早産予防対策事業として「RAINBOW Project」を進めてきた. 絨毛膜羊膜炎と歯周病は高サイトカイン血症を介して早産を引き起こすリスク因子となる. 先ず2007年7月から2008年3月に天草地区, 続いて2009年9月から2010年3月に人吉・球磨地区においてモデル事業を行った結果, 本事業に極低出生体重児の出生率を減少させる効果があることが示された. |
---|---|
ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.70.167 |