宿泊型森林セラピーにおける森林歩行がもたらす生理的・主観的リラックス効果

[はじめに] 産業革命をきっかけに人の生活環境は自然環境から急速に人工環境に変わりつつある. 特に, 1950年代に始まった人口1,000万人以上の「メガシティ」の出現により, 都市化による環境ストレス問題が急増してきた. イギリスの動物学者であるMorrisは動物園の動物が野生の動物には見られない破壊的な行動や自殺などの自傷行動を行っていることを観察し, 人間の破壊的な行動も「人間動物園」である都市の環境によるストレス反応であると指摘している. 平成12年に行った厚生労働省の調べによると, 日常生活においてストレスが「大いにある」と「多少ある」が54.2%を占めており, 現代の都市社会がスト...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 98 - 103
Main Authors 森川, 岳, 池井, 晴美, 李, 宙営, 宮崎, 良文, 朴, 範鎭, 宋, チョロン, 恒次, 祐子, 香川, 隆英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2014
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.69.98

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Summary:[はじめに] 産業革命をきっかけに人の生活環境は自然環境から急速に人工環境に変わりつつある. 特に, 1950年代に始まった人口1,000万人以上の「メガシティ」の出現により, 都市化による環境ストレス問題が急増してきた. イギリスの動物学者であるMorrisは動物園の動物が野生の動物には見られない破壊的な行動や自殺などの自傷行動を行っていることを観察し, 人間の破壊的な行動も「人間動物園」である都市の環境によるストレス反応であると指摘している. 平成12年に行った厚生労働省の調べによると, 日常生活においてストレスが「大いにある」と「多少ある」が54.2%を占めており, 現代の都市社会がストレス社会であることを象徴している. このような状況下, 今日の人工化された都市環境の人間に及ぼす悪影響が指摘される一方, 自然環境のもたらす健康増進効果に多くの注目が集まっている.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.69.98