脳梗塞入院患者の在院日数に関わる要因の実態調査

当センターは地域完結型医療を目指す法人であり,その中で当院は急性期を担うDPC対象病院である。当院ではDPC/PDPSの入院期間Ⅱ以内での退院率向上を目指しているが,一般に脳卒中患者は入院期間が長期化する傾向にあり,当院も例外ではない。そこで今回,脳卒中の中でも当病棟において入院患者数の多い脳梗塞に対象を絞り,入院期間とそれに影響を及ぼす因子について明らかにするために実態調査を行なった。  2016年5月から2017年3月に入院し,内科的加療を行なった脳梗塞109例を対象とした。年齢,性別,入院時NIHSS,病型,来院手段,摂食経路,入院前居住地,介護保険認定の有無,退院先の項目を抽出し,DP...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 492 - 499
Main Authors 小林, 伸行, 矢板, 沙来美, 三浦, 真美, 山崎, 雄斗, 安納, 崇之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2018
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.67.492

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Summary:当センターは地域完結型医療を目指す法人であり,その中で当院は急性期を担うDPC対象病院である。当院ではDPC/PDPSの入院期間Ⅱ以内での退院率向上を目指しているが,一般に脳卒中患者は入院期間が長期化する傾向にあり,当院も例外ではない。そこで今回,脳卒中の中でも当病棟において入院患者数の多い脳梗塞に対象を絞り,入院期間とそれに影響を及ぼす因子について明らかにするために実態調査を行なった。  2016年5月から2017年3月に入院し,内科的加療を行なった脳梗塞109例を対象とした。年齢,性別,入院時NIHSS,病型,来院手段,摂食経路,入院前居住地,介護保険認定の有無,退院先の項目を抽出し,DPC期間Ⅱ以内の退院とⅢ以上の退院の2群に分け解析を行なった。  全体の平均在院日数は21.0日,平均年齢80.5歳,男:女=52:57であり,期間Ⅱ以内の退院は53.2%,期間Ⅲ以上は46.8%であった。入院期間延長に強く関連したのは入院前居住地に退院できない場合であった。自宅から入院の場合,NIHSSが高点数になるほど自宅退院困難であり,NIHSSは退院転帰因子として重要な指標となると判明した。また,長期入院者の期間短縮に向けては,退院先決定までの日数に加え,転院までの待ち期間が重要であり,病棟看護師の退院支援,当センターの施設間連携やシステム強化への継続的な取り組みが重要と考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.67.492