大学生の食・飲酒・喫煙行動の分析による健康支援策に関する研究:性・年齢・居住形態別による生活習慣病リスク要因の検討から

「I. 緒言」生活習慣病の発症は, 青少年期からの生活習慣の継続が関係していることから, 疾患のリスク要因となる健康行動の早期発見と行動変容促進による一次予防が極めて重要である. 平成23年国民健康・栄養調査結果によると, 10歳代後半以降の野菜類摂取量は, 20歳代が234.4g/日と最も低値を示し, 摂取目標量よりも100g/日以上少なく, 10歳代後半から20歳代にかけて低下傾向がみられる. また, 15歳以上の年齢階級における脂肪エネルギー比率は10歳代, 20歳代が最も高い(15~19歳:28.9%, 20~29歳28.7%)ことが報告されている. さらに, 朝食欠食率は10歳代後半...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 81 - 94
Main Author 笠巻, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 01.01.2015
日本衛生学会
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.70.81

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Summary:「I. 緒言」生活習慣病の発症は, 青少年期からの生活習慣の継続が関係していることから, 疾患のリスク要因となる健康行動の早期発見と行動変容促進による一次予防が極めて重要である. 平成23年国民健康・栄養調査結果によると, 10歳代後半以降の野菜類摂取量は, 20歳代が234.4g/日と最も低値を示し, 摂取目標量よりも100g/日以上少なく, 10歳代後半から20歳代にかけて低下傾向がみられる. また, 15歳以上の年齢階級における脂肪エネルギー比率は10歳代, 20歳代が最も高い(15~19歳:28.9%, 20~29歳28.7%)ことが報告されている. さらに, 朝食欠食率は10歳代後半から20歳代で男女とも15%以上増加する(20歳代:男34.1%, 女28.8%)等, 10歳代後半から20歳代前半の食行動の変容が危惧される. 食習慣の改善は, 生活習慣病予防による健康寿命の延伸, 健康格差の縮小等を達成目標とした健康政策「健康日本21(第二次)」の重点項目の一つであり, 青年期における野菜・果物摂取量の増加, 脂肪摂取量の低減, 朝食欠食の改善は喫緊の課題である.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.70.81