工場で炊飯された米飯による食中毒リスクの調査

「要約」工場で炊飯された米飯の細菌汚染および食中毒リスクを調査した結果, 炊飯中の細菌汚染は少なかったが, 35℃での保存試験に伴って生菌数が経時的に著しく増加した. 米飯への黄色ブドウ球菌の接種試験により, 経時的な菌の増殖と米飯中のエンテロトキシン産生が確認された. また, 今回の保存試験の条件下では, 米飯に添加されたpH調整剤の明確な静菌作用は認められなかった. 以上の成果からpH調整剤の有無にかかわらず, 期限内の米飯であっても取り扱いを誤れば, 大規模な食中毒に発展する可能性があることが明らかになった....

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 70 - 76
Main Authors 梅田, 薫, 松林, 雄一, 吉岡, 馨子, 奥原, 潤, 中村, 寛海, 松浦, 義治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 30.06.2022
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ISSN1340-8267
1882-5982
DOI10.5803/jsfm.39.70

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Summary:「要約」工場で炊飯された米飯の細菌汚染および食中毒リスクを調査した結果, 炊飯中の細菌汚染は少なかったが, 35℃での保存試験に伴って生菌数が経時的に著しく増加した. 米飯への黄色ブドウ球菌の接種試験により, 経時的な菌の増殖と米飯中のエンテロトキシン産生が確認された. また, 今回の保存試験の条件下では, 米飯に添加されたpH調整剤の明確な静菌作用は認められなかった. 以上の成果からpH調整剤の有無にかかわらず, 期限内の米飯であっても取り扱いを誤れば, 大規模な食中毒に発展する可能性があることが明らかになった.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.39.70