アテゾリズマブ誘発性にギラン・バレー症候群様の急性脱髄性末梢神経障害を呈し,ステロイド併用により軽快した76歳男性例
76歳男性.小細胞肺癌に対してアテゾリズマブを投与した21日後から四肢遠位優位の筋力低下と感覚障害が出現した.神経伝導検査では脱髄型末梢神経障害を認め,アテゾリズマブ誘発性の急性脱髄性ポリニューロパチーと診断した.免疫グロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin,以下IVIgと略記)に加えてステロイドパルスと経口ステロイドを追加し,筋力低下は軽快した.免疫チェックポイント阻害薬の副作用として発症したギラン・バレー症候群様末梢神経障害では,IVIgにステロイドパルスを追加することが推奨されており,programmed cell death 1- ligand 1抗...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 61; no. 10; pp. 653 - 657 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001562 |
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Summary: | 76歳男性.小細胞肺癌に対してアテゾリズマブを投与した21日後から四肢遠位優位の筋力低下と感覚障害が出現した.神経伝導検査では脱髄型末梢神経障害を認め,アテゾリズマブ誘発性の急性脱髄性ポリニューロパチーと診断した.免疫グロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin,以下IVIgと略記)に加えてステロイドパルスと経口ステロイドを追加し,筋力低下は軽快した.免疫チェックポイント阻害薬の副作用として発症したギラン・バレー症候群様末梢神経障害では,IVIgにステロイドパルスを追加することが推奨されており,programmed cell death 1- ligand 1抗体誘発性の急性脱髄性ポリニューロパチーに対してもステロイド治療が有効であると考えられた. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001562 |