筋病理でミクソウイルス耐性蛋白質A発現筋線維を認めたことが診断の契機となった抗melanoma differentiation-associated gene 5抗体陽性皮膚筋炎の1例

症例は自閉スペクトラム症の既往がある44歳女性.初診7ヶ月前から筋症状,6ヶ月前から肝障害が出現したが,高CK血症は間欠的に認めるのみであった.心障害,難聴も合併していたためミトコンドリア病を疑って筋生検を施行したところ,ミクソウイルス耐性蛋白質A発現筋線維の散在を認めた.抗melanoma differentiation-associated gene 5(MDA5)抗体陽性が判明し,皮膚筋炎と診断して免疫治療を行うことで筋症状と肝障害の改善を得た.臨床診断が困難な抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎では,ミクソウイルス耐性蛋白質A発現筋線維の検索が診断に有用となる場合がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 64; no. 7; pp. 480 - 485
Main Authors 加納, 崇裕, 西野, 一三, 水島, 慶一, 岩見, 昂亮, 矢口, 裕章, 保前, 英希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2024
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001963

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Summary:症例は自閉スペクトラム症の既往がある44歳女性.初診7ヶ月前から筋症状,6ヶ月前から肝障害が出現したが,高CK血症は間欠的に認めるのみであった.心障害,難聴も合併していたためミトコンドリア病を疑って筋生検を施行したところ,ミクソウイルス耐性蛋白質A発現筋線維の散在を認めた.抗melanoma differentiation-associated gene 5(MDA5)抗体陽性が判明し,皮膚筋炎と診断して免疫治療を行うことで筋症状と肝障害の改善を得た.臨床診断が困難な抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎では,ミクソウイルス耐性蛋白質A発現筋線維の検索が診断に有用となる場合がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001963