癒合した舌骨・甲状軟骨による機械的刺激で脳梗塞の再発を繰り返した内頸動脈狭窄症の1例

症例は78歳男性.73歳時に舌骨と甲状軟骨による機械的刺激に伴う右内頸動脈狭窄症と診断され,頸動脈ステント留置術が行なわれた.78歳時に脳梗塞を再発し,3D-CTAで頸動脈ステントの再狭窄を認めた.再発予防のために舌骨と甲状軟骨の部分切除を行い,再度頸動脈ステント留置術を行った.治療により内頸動脈走行の偏位が軽減され,ステント内の狭窄も改善が得られた.舌骨や甲状軟骨による機械的刺激が関与した内頸動脈狭窄症では治療後に再狭窄する可能性があり,安易に頸動脈ステント留置術を選択するのではなく,舌骨と甲状軟骨の部分切除も含めて治療方針を検討する必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 63; no. 6; pp. 369 - 374
Main Authors 定方, 英作, 川原, 一郎, 岩永, 洋, 原口, 渉, 忽那, 史也, 田中, 藤信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2023
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001851

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Summary:症例は78歳男性.73歳時に舌骨と甲状軟骨による機械的刺激に伴う右内頸動脈狭窄症と診断され,頸動脈ステント留置術が行なわれた.78歳時に脳梗塞を再発し,3D-CTAで頸動脈ステントの再狭窄を認めた.再発予防のために舌骨と甲状軟骨の部分切除を行い,再度頸動脈ステント留置術を行った.治療により内頸動脈走行の偏位が軽減され,ステント内の狭窄も改善が得られた.舌骨や甲状軟骨による機械的刺激が関与した内頸動脈狭窄症では治療後に再狭窄する可能性があり,安易に頸動脈ステント留置術を選択するのではなく,舌骨と甲状軟骨の部分切除も含めて治療方針を検討する必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001851