37.経過観察中に骨髄異形成症候群(MDS)を発症し,MDSの肺病変が疑われた間質性肺炎の1例(第19回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)
【症例】65歳女性. 【主訴】労作時呼吸困難. 【現病歴】悪性リンパ腫治療終了後半年の胸部CT検査で, 右中下肺野の斑状のすりガラス状陰影を指摘され, X年7月当科を受診した. 気管支鏡検査では確診にいたらなかった. すりガラス状陰影は自然経過でその後も消退をくりかえした. X+3年1月ごろより労作時呼吸困難が増悪し, 画像検査でも小葉間隔壁の肥厚が目立ち, 肺野の縮小もみられだしたため, 同年7月当科に入院をした. 【既往歴】51歳T細胞性悪性リンパ腫(化学療法で寛解), 54歳再発(自家末梢血幹細胞移植で寛解), 61歳バーキットリンパ腫(化学療法で寛解). 【入院後経過】再度気管支鏡検査...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 3; p. 203 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.3_203_1 |
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Summary: | 【症例】65歳女性. 【主訴】労作時呼吸困難. 【現病歴】悪性リンパ腫治療終了後半年の胸部CT検査で, 右中下肺野の斑状のすりガラス状陰影を指摘され, X年7月当科を受診した. 気管支鏡検査では確診にいたらなかった. すりガラス状陰影は自然経過でその後も消退をくりかえした. X+3年1月ごろより労作時呼吸困難が増悪し, 画像検査でも小葉間隔壁の肥厚が目立ち, 肺野の縮小もみられだしたため, 同年7月当科に入院をした. 【既往歴】51歳T細胞性悪性リンパ腫(化学療法で寛解), 54歳再発(自家末梢血幹細胞移植で寛解), 61歳バーキットリンパ腫(化学療法で寛解). 【入院後経過】再度気管支鏡検査を行い, 総細胞数, リンパ球比率の増加を認めた. TBLBでは間質に軽度のリンパ球浸潤と線維化を認めたが, リンパ球のクロナリティや異型細胞は認められなかった. また, 入院時から, 徐々にHbの低下, PLTの低下が認められていたため骨髄検査を行ったところ, 染色体異常を認め2次性の骨髄異形成症候群(MDS)と診断した. 当科では過去に, MDSを基礎疾患とし, 小葉間隔壁の肥厚, すりガラス状陰影を特徴とする画像所見を呈する症例を経験しており, 本症例もMDSに関連した肺病変である可能性がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.3_203_1 |