17.喀血を契機に診断に至った,原発性気管支動脈蔓状血管腫の1例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

• Published in: 気管支学 Vol. 32; no. 6; p. 561
• Main Authors: 在間, 未佳, 一色, 琢磨, 山口, 陽子, 若林, 義賢, 細木, 敬祐, 鈴木, 智史, 河野, 千代子, 山田, 嘉仁, 山口, 哲生, 上野, 克仁, 田中, 真人
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010; 日本呼吸器内視鏡学会
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.32.6_561_2

症例は77歳, 女性. 2009年10月に胸部異常陰影を指摘され受診し, その後定期的に通院していた. 2010年4月に喀血があり, 1週間程度血痰を繰り返していた. 胸部単純CTでは肺野に出血源は指摘できず, 造影CT再構成画像により胸部下行大動脈から分岐する異常血管が判明した. 気管支鏡検査にて, 両側上葉支腔内を中心に計5カ所の暗紫赤色の非拍動性隆起性粘膜下病変を認めた. 気管支動脈造影も施行したところ, 右上葉へ向かう蛇行する径6mm程度の異常血管が目立ち, 他にも両側に同様の細い異常血管を認め, 気管支動脈蔓状血管腫と診断した. その後の喀血は認めていないが, 塞栓術施行後に異常血管結紮術および右上葉切除術施行の予定である. 喀血の原因検索目的に施行した造影CTにより本疾患を疑うに至り, 背景となるような基礎疾患がない場合にも施行すべきと考えられる. 原発性気管支動脈蔓状血管腫につ いての文献的考察を交えて報告する.