23.胸腔鏡下生検によりIgG4関連疾患が疑われた多発肺腫瘍の1例(第137回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
61歳女性. 非喫煙者で生来健康. 職場健康診断の胸部X線写真で異常陰影を指摘され当院呼吸器内科を紹介受診CTで両側全肺葉に最大径15mmの辺縁不整な結節影を多数認めた. 無症状で身体所見に特記すべきことなし. サルコイドーシスや原発性肺癌, 転移性肺癌などが疑われたが確定診断に至らないため呼吸器外科へ紹介となり, VATS生検を施行した. 胸腔内には弾性硬の結節を臓側胸膜直下に多数認め, 中・下葉から計4つを生検した. 組織学的には結節部位に一致して限局性のリンパ球・形質細胞が浸潤し, 免疫染色ではそれらに50個/HPF程度のIgG4陽性細胞を認めた. 血清IgG4 95.6mg/dlと上昇...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 375 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.5_375_2 |
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Summary: | 61歳女性. 非喫煙者で生来健康. 職場健康診断の胸部X線写真で異常陰影を指摘され当院呼吸器内科を紹介受診CTで両側全肺葉に最大径15mmの辺縁不整な結節影を多数認めた. 無症状で身体所見に特記すべきことなし. サルコイドーシスや原発性肺癌, 転移性肺癌などが疑われたが確定診断に至らないため呼吸器外科へ紹介となり, VATS生検を施行した. 胸腔内には弾性硬の結節を臓側胸膜直下に多数認め, 中・下葉から計4つを生検した. 組織学的には結節部位に一致して限局性のリンパ球・形質細胞が浸潤し, 免疫染色ではそれらに50個/HPF程度のIgG4陽性細胞を認めた. 血清IgG4 95.6mg/dlと上昇していないもののIgG4関連肺疾患が疑われ, 膵炎の有無など全身精査を行っているが現時点では明らかな併存疾患を認めていない. IgG4関連肺疾患を疑う症例を経験したので文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.5_375_2 |