11.進行食道癌における食道気管気管支瘻に対するシリコンステントを用いた気道ステント療法の経験(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

【はじめに】進行食道癌における食道気管気管支瘻はQOLを著しく低下させると同時に致死的となりえる合併症であり, その治療にはしばしば難渋することがある. 近年, 食道気管気管支瘻に対する食道ステント療法および気道ステント療法の有用性についての報告が散見される. 【目的】食道癌に合併する食道気管気管支瘻に対するシリコンステントを用いた気道ステント療法の有用性の検討. 【対象, 方法】2002年1月から2005年4月までに当科で経験した食道気管気管支瘻を合併する食道癌に対し気管気管支にDumonステントを留置した7例をretrospectiveに検討した. 【結果】平均年齢は68.9歳(男性6名,...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; p. 534
Main Authors 高森, 信三, 福永, 真理, 寺崎, 泰宏, 三輪, 啓介, 松尾, 敏弘, 牟田, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.7_534_2

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Summary:【はじめに】進行食道癌における食道気管気管支瘻はQOLを著しく低下させると同時に致死的となりえる合併症であり, その治療にはしばしば難渋することがある. 近年, 食道気管気管支瘻に対する食道ステント療法および気道ステント療法の有用性についての報告が散見される. 【目的】食道癌に合併する食道気管気管支瘻に対するシリコンステントを用いた気道ステント療法の有用性の検討. 【対象, 方法】2002年1月から2005年4月までに当科で経験した食道気管気管支瘻を合併する食道癌に対し気管気管支にDumonステントを留置した7例をretrospectiveに検討した. 【結果】平均年齢は68.9歳(男性6名, 女性1名)で, 瘻孔の部位は気管が4例, 気管支が3例であった. 気管気管支内に留置したDumonステントのタイプはY字型4例, 直型3例であった. いずれもステント留置後の食道造影で明らかな瘻孔は認めなかった. 3例においては食道ステントを留置し, ダブルステントとした. ステント留置後に6例で経口摂取が可能となったが, 1例は両側反回神経麻痺のため経口摂取が不可能であった. Dumonステント留置後の平均生存期間は199.3日であり, 平均経口摂取期間は107.3日であった. ステントに関連する合併症は認めなかった. 【考察】食道癌に合併する食道気管気管支瘻に対するシリコンステントを用いた気道ステント療法はQOLの維持において有用であることが示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.7_534_2