4. サルコイド反応を合併した気管支カルチノイドの1例(第19回 熊本県気管支鏡研修会)

症例は65歳, 女性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され, 精査のため, 当科を紹介され入院となった. 胸部レントゲン写真, 胸部CTでは左S6~S9にかけて肺の容積減少を伴う腫瘤性病変をみとめた. 気管支鏡検査では血管怒張を伴う, 表面平滑で光沢のある隆起性病変を左B8+9の入口部に認め, カルチノイドを最も疑った. 生検による病理学的検査の結果, 定型カルチノイドと診断された. 臨床病期はT1N0M0のstage1aで, 当院呼吸器外科にてVATSによる左下葉摘出術を受けた. 摘出肺の病理検査の結果, カルチノイド腫瘍の末梢側に類上皮細胞性肉芽腫の形成を認めサルコイド反応と考えられた. 気管...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 27; no. 2; p. 145
Main Authors 廣岡, さゆり, 蔵重, 淳二, 森, 毅, 興梠, 博次, 新堀, 俊文, 松本, 充博, 吉岡, 正一, 尾田, 済太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2005
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.27.2_145_4

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Summary:症例は65歳, 女性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され, 精査のため, 当科を紹介され入院となった. 胸部レントゲン写真, 胸部CTでは左S6~S9にかけて肺の容積減少を伴う腫瘤性病変をみとめた. 気管支鏡検査では血管怒張を伴う, 表面平滑で光沢のある隆起性病変を左B8+9の入口部に認め, カルチノイドを最も疑った. 生検による病理学的検査の結果, 定型カルチノイドと診断された. 臨床病期はT1N0M0のstage1aで, 当院呼吸器外科にてVATSによる左下葉摘出術を受けた. 摘出肺の病理検査の結果, カルチノイド腫瘍の末梢側に類上皮細胞性肉芽腫の形成を認めサルコイド反応と考えられた. 気管支カルチノイドにサルコイド反応を伴った症例の報告は今までに数例あるのみであり, 本例は貴重な症例と考えられる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.27.2_145_4