8.閉塞性肺炎を繰り返した気管支内過誤腫の1例(第136回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

• Published in: 気管支学 Vol. 33; no. 3; p. 211
• Main Authors: 水谷, 栄基, 森田, 理一郎, 大河内, 康実, 笠井, 昭吾, 徳田, 均, 北村, 成大
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011; 日本呼吸器内視鏡学会
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.33.3_211_3

【背景】肺過誤腫の多くは肺実質内に認められ, 気管支内過誤腫は比較的稀である. 今回我々は閉塞性肺炎を繰り返した気管支内過誤腫の1例を経験した. 【症例】25歳男性. 最近1 年以内に肺炎に対し4回の治療歴があった. 2010年6月に左肺炎にて緊急入院した. CT検査で左上葉無気肺及び左上葉支から左主気管支にかけてのびる17mmの腫瘤様陰影を認めた. 気管支鏡検査では, 腫瘤は左上葉支から主気管支へ突出し, 主気管支内腔の90%以上を占めていた. 上葉支入口部は腫瘤により確認し得ず, 経気管支的な処置は困難と判断した. 生検で過誤腫と診断された. 手術目的に当科紹介となった. 手術では, まず舌区域切除を施行したが腫瘤茎は確認し得なかった. 上葉切除後に上葉支入口部に腫瘤茎を確認し得たため, 左主気管支を楔状に切除し腫瘤を摘出した. 術後経過は良好であった. 【結論】閉塞性肺炎を繰り返す場合には, 気管支内過誤腫も念頭に置く必要がある.