20.アンホテリシンB吸入療法が著効した術後遺残腔に発生した肺アスペルギルス症の1例(第112回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

• Published in: 気管支学 Vol. 27; no. 4; p. 346
• Main Authors: 大西, 司, 楠本, 壮二郎, 杉山, 智英, 保坂, 隆道, 石田, 博雄, 安藤, 浩一, 白井, 崇生, 奥田, 健太郎, 廣瀬, 敬, 堀地, 直也, 足立, 満
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2005; 日本呼吸器内視鏡学会
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.27.4_346_4

症例は51歳男性, 17歳から自然気胸の手術を繰り返し, 平成15年左肺出血のため左上葉切除に至った. 平成15年12月熱発, 喀痰の増加があり受診, 左上肺野の遺残腔の水平面形成, 左下葉の肺炎を認め入院となった. 各種抗生剤を使用したが, 肺炎の改善が認められず, 高熱が持続した. 気管支鏡を施行したところ, 左上葉の断端に8mmほどの瘻孔を認め胸壁に広範囲に厚く付着した白苔を認めた. 生検にて菌糸を認めた. 肺炎部のブラシ擦過検体および洗浄では, 好中球浸潤に富むものの, 真菌および有意な細菌は認めなかった. 術後遺残腔へのアスペルギルス感染と器質化肺炎と考え, アンホテリシンB吸入療法(5mg, 一日5回)およびイトラコナゾール200mg, プレドニゾロン60mg/日より漸減した. 高熱および肺炎像も軽快し, 胸部CT上認めた左上胸部の肥厚は1か月の経緯で消退した.