気道ステント留置術のガイドラインの必要性について(<ミニ特集>「気道ステントをめぐる諸問題-pros and cons」)

「はじめに」1990年にDurnonによりDurnon stentが紹介されて以来1, 中枢気道狭窄に対するステント留置術の有用性は現在では広く認知され, 様々な施設でそれぞれの考え方に基づいて施行されている. しかしどのような症例にどのような方法でステント留置を行うべきかという点については一定の見解がないのが現状である. 我々はただ気道狭窄が存在するというだけではステント留置の適応にはならないと考えている. ステントにより呼吸困難の症状が劇的に改善したとの報告は多数なされているが, さらに踏み込んで, ステントが予後の改善につながるものでなければその意義は半減するであろう. このことを踏まえ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; pp. 26 - 29
Main Authors 村上, 斗司, 玉置, 明彦, 細川, 忍, 渡辺, 洋一, 松尾, 圭祐, 福本, 友絵, 平木, 俊吉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.1_26

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Summary:「はじめに」1990年にDurnonによりDurnon stentが紹介されて以来1, 中枢気道狭窄に対するステント留置術の有用性は現在では広く認知され, 様々な施設でそれぞれの考え方に基づいて施行されている. しかしどのような症例にどのような方法でステント留置を行うべきかという点については一定の見解がないのが現状である. 我々はただ気道狭窄が存在するというだけではステント留置の適応にはならないと考えている. ステントにより呼吸困難の症状が劇的に改善したとの報告は多数なされているが, さらに踏み込んで, ステントが予後の改善につながるものでなければその意義は半減するであろう. このことを踏まえたうえで最善の麻酔法や実際の手技, 使用するステントの種類を含めて一定のガイドラインとなるものを検討すべき時期が来ているように思われる. そしてその検討のためにはステントによる治療が果たし得る役割を理解し2,3, ステント留置が患者の予後とQOLに与えるインパクトを十分理解する必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_26