8.当科におけるEBUS-TBNA症例の検討(第30回日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)

【背景】当科では2006年10月にOLYMPUS社製EBUS-TBNAシステムを導入し, 3名が研修後各種疾患に対し検査を行っている. 【目的・方法】現在まで当科で行ったEBUS-TBNAについて対象疾患, 穿刺部位, 合併症などについて解析し, 検討を行った. 【結果】2007年に当科で行った気管支鏡検査は271例であった. 2008年は6月末現在147例であり, このうちEBUS-TBNAは28例で, 男性13例, 平均56.5歳であった. 対象は原発性肺癌9例(全例確定診断目的), サルコイドーシス15例, 間質性肺炎1例などであった. 18例で病理組織学的診断が得られた. 穿刺不可能症...

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Published in気管支学 Vol. 31; no. 1; p. 42
Main Authors 石田, 健介, 中尾, 祥子, 奥村, 俊介, 佐々木, 高明, 黒田, 光, 中田, 寛章, 豊嶋, 恵理, 小笠, 寿之, 長内, 忍, 長谷部, 直幸, 大崎, 能伸, 平松, 美江, 渋川, 紀代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:【背景】当科では2006年10月にOLYMPUS社製EBUS-TBNAシステムを導入し, 3名が研修後各種疾患に対し検査を行っている. 【目的・方法】現在まで当科で行ったEBUS-TBNAについて対象疾患, 穿刺部位, 合併症などについて解析し, 検討を行った. 【結果】2007年に当科で行った気管支鏡検査は271例であった. 2008年は6月末現在147例であり, このうちEBUS-TBNAは28例で, 男性13例, 平均56.5歳であった. 対象は原発性肺癌9例(全例確定診断目的), サルコイドーシス15例, 間質性肺炎1例などであった. 18例で病理組織学的診断が得られた. 穿刺不可能症例は本検査導入直後の穿刺針挿入困難(2例)とリンパ節描出不鮮明(1例), 血管の並走(1例), 強度の咳嗽(1例)であった. 穿刺部位は14ヵ所で, #7リンパ節(18), #3リンパ節(6), #10リンパ節(5), #11リンパ節(1), 腫瘍(1)であった. CTで計測した長径は12mmから52mmまでであった. 穿刺回数は1回から3回で平均1.95回であった. 穿刺部からの軽度出血を2例で認めたが, 重篤な合併症は認めなかった. 【考察】12mm以上の描出可能な病変は穿刺可能であり, 重篤な合併症もほとんど見られなかった. 導入初期は#7リンパ節の穿刺がほとんどであったが, 最近は#3や#10リンパ節の穿刺も可能となった. 現在, 5名のスタッフが操作に習熟し, 今後はさらに検査成績の向上が期待される.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.1_42_1