34.甲状腺癌気管支転移に対して葉気管支にステントを挿入した1例(第121回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
【症例】71歳男性.1992年,甲状腺乳頭癌に対し甲状腺全摘術施行された.1999年,肺転移を来したため,放射性ヨード大量療法を施行された.2006年10月,咳嗽・血痰出現し,BF所見では,左B3にポリープ状の腫瘍を認めた.2007年2月より,発熱・体重減少を来し,左肺上葉の肺炎と診断された.同年3月,当科紹介受診となった.BF所見では,左上葉入口部を完全閉塞する白色壊死を伴った腫瘍を認めた.4月,YAGレーザー焼灼と鉗子により腫瘍を減量していったところ,腫瘍浸潤のない舌区入口部を確認したため,Ultraflexステントを上葉支入口部より舌区支にかけて留置した.気道開口後,膿性痰が喀出され,炎...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 4; p. 263 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.4_263_5 |
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Summary: | 【症例】71歳男性.1992年,甲状腺乳頭癌に対し甲状腺全摘術施行された.1999年,肺転移を来したため,放射性ヨード大量療法を施行された.2006年10月,咳嗽・血痰出現し,BF所見では,左B3にポリープ状の腫瘍を認めた.2007年2月より,発熱・体重減少を来し,左肺上葉の肺炎と診断された.同年3月,当科紹介受診となった.BF所見では,左上葉入口部を完全閉塞する白色壊死を伴った腫瘍を認めた.4月,YAGレーザー焼灼と鉗子により腫瘍を減量していったところ,腫瘍浸潤のない舌区入口部を確認したため,Ultraflexステントを上葉支入口部より舌区支にかけて留置した.気道開口後,膿性痰が喀出され,炎症症状は軽快した.【結語】気道ステントは通常主気管支,中間幹までの狭窄に対して適応とされている.甲状腺乳頭癌は進行が緩徐であるため,葉気管支レベルにおいても狭窄を解除することは検討に値する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.4_263_5 |