後進歩行速度の違いによる大脳皮質活動の検討

〔目的〕後進歩行は,歩行獲得や転倒予防の手段として用いられている.前進歩行は速度増加に伴い,運動関連領域の脳活動が増加するとされている.そこで,後進歩行でも速度増加に伴い脳活動が増加すると仮説を立て,後進歩行速度の違いによる大脳皮質活動の変化を検討した.〔対象と方法〕対象は健常成人10人,トレッドミル上での後進歩行を機能的近赤外線分光法にて測定した.速度設定は快適な後進歩行速度の66%,50%,33%とした.〔結果〕全ての速度で運動関連領域の脳活動の増加を認め,50%よりも66%,33%の速度で増加していた.〔結語〕後進歩行においても前進歩行に関与する運動関連領域の脳活動は増加した.また,後進...

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Published inRigaku ryoho kagaku Vol. 32; no. 6; pp. 817 - 822
Main Authors 寺西, 正辰, 竹下, 和良, 小林, 康孝, 河村, 民平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 理学療法科学学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.32.817

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Summary:〔目的〕後進歩行は,歩行獲得や転倒予防の手段として用いられている.前進歩行は速度増加に伴い,運動関連領域の脳活動が増加するとされている.そこで,後進歩行でも速度増加に伴い脳活動が増加すると仮説を立て,後進歩行速度の違いによる大脳皮質活動の変化を検討した.〔対象と方法〕対象は健常成人10人,トレッドミル上での後進歩行を機能的近赤外線分光法にて測定した.速度設定は快適な後進歩行速度の66%,50%,33%とした.〔結果〕全ての速度で運動関連領域の脳活動の増加を認め,50%よりも66%,33%の速度で増加していた.〔結語〕後進歩行においても前進歩行に関与する運動関連領域の脳活動は増加した.また,後進歩行速度の違いにより,脳活動の程度は異なるため治療プログラム決定の際に考慮する必要があると考えられた.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.32.817