大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群に起因した股関節唇損傷が股関節最大屈曲角度と腰椎前弯角に与える影響について

【はじめに】大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(femoroacetabular impingement syndrome; FAIS)に股関節鏡視下骨軟骨形成術を行った症例に対して,術前後の股関節最大屈曲角度,腰椎前弯角,第1腰椎(L1)~第1仙椎(S1)間の角度変化を計測し,FAIS が股関節最大屈曲角度と腰椎前弯角,および腰椎屈曲角度に与える影響について調査した。【対象】両側mixed type FAIS による股関節唇損傷の診断で,股関節鏡視下骨軟骨形成術を施行した6例6関節(平均26.3 ± 8.5歳,全症例男性)を対象とした。【方法】腰椎・骨盤のX 線機能撮影を術前および術後5か月...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAnnual Report of The Miyagi Physical Therrapy Association(rigaku ryoho no ayumi) Vol. 36; no. 1; pp. 36 - 40
Main Authors 佐野, 博高, 畠中, 聡, 野口, 森幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会 2025
宮城県理学療法士会
Miyagi Chapter of Japanese Physical Therapy Association
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-2688
1882-1464
DOI10.11342/mpta.36.36

Cover

More Information
Summary:【はじめに】大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(femoroacetabular impingement syndrome; FAIS)に股関節鏡視下骨軟骨形成術を行った症例に対して,術前後の股関節最大屈曲角度,腰椎前弯角,第1腰椎(L1)~第1仙椎(S1)間の角度変化を計測し,FAIS が股関節最大屈曲角度と腰椎前弯角,および腰椎屈曲角度に与える影響について調査した。【対象】両側mixed type FAIS による股関節唇損傷の診断で,股関節鏡視下骨軟骨形成術を施行した6例6関節(平均26.3 ± 8.5歳,全症例男性)を対象とした。【方法】腰椎・骨盤のX 線機能撮影を術前および術後5か月時点で行った。開始肢位は肩峰と大転子を一直線とする患側を上にした側臥位で股関節屈曲45°,膝屈曲90°とし,最終肢位は股関節最大屈曲位とした。開始肢位と最終肢位で股関節最大屈曲角度,および腰椎前弯角,L1~S1 間の角度変化を比較した。【結果】股関節最大屈曲角度と腰椎前弯角は術後に有意に増大した。L1/2,L4/5 の腰椎屈曲角度の変化量は有意に増大したが,L2/3,L4/5,L5/ Sでは有意差がなかった。【考察】FAIS に特有の骨形態異常が,股関節最大屈曲角度と,腰椎前弯角を制限させていた可能性があると考えられた。
ISSN:0917-2688
1882-1464
DOI:10.11342/mpta.36.36