頭部・顔面乳児血管腫に対する可変式ロングパルス色素レーザーとプロプラノロール内服療法による治療戦略

東京女子医大八千代医療センター及びさいたま赤十字病院で診療した乳児血管腫(infantile hemangioma: IH)207例中,頭部・顔面IHの79例に対して波長595 nmのパルス幅可変式色素レーザー照射あるいは薬物治療としてプロプラノロール内服治療,その併用である‘ハイブリッド療法’を生命予後を脅かす部位や機能障害を残す部位のハイリスクIH症例らに対して治療を行なった.また頭部・顔面以外の重篤な後遺症を残さないIHで経過観察を行なった症例と何らかの治療を行なった頭部・顔面IH症例の12週間後,24週間後の改善を5項目のrating scaleで評価し,統計学的に比較検討した結果,治...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 43; no. 4; pp. 265 - 274
Main Authors 佐藤, 有子, 宇佐美, 圭恵, 濱田, 洋通, 三石, 剛, 黒田, 早恵, 島村, 明里, 豊澤, 優衣, 宮田, 和法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 15.01.2023
日本レーザー医学会
Subjects
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-43_0031

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Summary:東京女子医大八千代医療センター及びさいたま赤十字病院で診療した乳児血管腫(infantile hemangioma: IH)207例中,頭部・顔面IHの79例に対して波長595 nmのパルス幅可変式色素レーザー照射あるいは薬物治療としてプロプラノロール内服治療,その併用である‘ハイブリッド療法’を生命予後を脅かす部位や機能障害を残す部位のハイリスクIH症例らに対して治療を行なった.また頭部・顔面以外の重篤な後遺症を残さないIHで経過観察を行なった症例と何らかの治療を行なった頭部・顔面IH症例の12週間後,24週間後の改善を5項目のrating scaleで評価し,統計学的に比較検討した結果,治療群では24週間後には経過観察群と比較してIHの改善に有意な差が認められた.従って重篤な後遺症を残さないためにも頭部・顔面IHに対しては積極的にレーザー治療,薬物治療を取り組むべきであると考えられた.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-43_0031