末梢肺に対する経気管支的光線力学的治療の病理所見の検討
末梢肺へ経気管支的に光線力学的治療(photodynamic therapy: PDT)を行った際の肺実質への影響を調査するため,ハイブリッド犬の正常肺に対してPDTを行い肺組織への影響を病理学的に検討した.二頭のハイブリッド犬に対し経気管支鏡的に側射型プラスチックレーザープローブを左右後葉の末梢気管支へ挿入しPDTを施行した.タラポルフィンナトリウム投与後,左右後葉支へ50 J/cm2および100 J/cm2のレーザー照射を行い,7日後に肺を摘出し病理学的にPDTの影響を検討した.PDT施行部に一致して肺胞出血や肉芽の形成,線維芽細胞の増殖やマクロファージの浸潤などが認められた.周囲の気管支...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 43; no. 1; pp. 22 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
15.04.2022
日本レーザー医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0288-6200 1881-1639 |
DOI | 10.2530/jslsm.jslsm-43_0002 |
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Summary: | 末梢肺へ経気管支的に光線力学的治療(photodynamic therapy: PDT)を行った際の肺実質への影響を調査するため,ハイブリッド犬の正常肺に対してPDTを行い肺組織への影響を病理学的に検討した.二頭のハイブリッド犬に対し経気管支鏡的に側射型プラスチックレーザープローブを左右後葉の末梢気管支へ挿入しPDTを施行した.タラポルフィンナトリウム投与後,左右後葉支へ50 J/cm2および100 J/cm2のレーザー照射を行い,7日後に肺を摘出し病理学的にPDTの影響を検討した.PDT施行部に一致して肺胞出血や肉芽の形成,線維芽細胞の増殖やマクロファージの浸潤などが認められた.周囲の気管支軟骨や肺胞上皮,臓側胸膜へは影響を認めなかった.PDTの効果範囲は約15 mmだった.末梢肺へのPDTは既存構造への影響は少なく安全に施行可能と考えられた. |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm.jslsm-43_0002 |