前腕回内位拘縮に対する円回内筋解離・近位骨間膜切除による受動術の一例
「はじめに」前腕の回旋運動障害は, 手関節 肘関節部の炎症, 外傷により遠位 近位橈尺関節に破壊が起こり, 癒着が発生して起こる. また, 前腕骨の骨折や骨幹部療痕形成によっても同様で, 一般に回内位拘縮を起こしやすい. これまで原因別 部位別にいくつかの手術法が考えられ使用されてきた. 今回, 熱傷瘢痕により起きた前腕回内位拘縮に対し, 円回内筋解離-近位前腕骨骨間膜切除による受動術の一例を経験したので報告する. 症例 28歳 男性 主訴:左前腕回外不全 現病歴:22歳時(1996年)に交通事故による全身60%に及ぶII-III度の熱傷を受け, 十数回にわたる皮膚移植術を施行した. 右上肢は...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; pp. 452 - 454 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.53.452 |
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Summary: | 「はじめに」前腕の回旋運動障害は, 手関節 肘関節部の炎症, 外傷により遠位 近位橈尺関節に破壊が起こり, 癒着が発生して起こる. また, 前腕骨の骨折や骨幹部療痕形成によっても同様で, 一般に回内位拘縮を起こしやすい. これまで原因別 部位別にいくつかの手術法が考えられ使用されてきた. 今回, 熱傷瘢痕により起きた前腕回内位拘縮に対し, 円回内筋解離-近位前腕骨骨間膜切除による受動術の一例を経験したので報告する. 症例 28歳 男性 主訴:左前腕回外不全 現病歴:22歳時(1996年)に交通事故による全身60%に及ぶII-III度の熱傷を受け, 十数回にわたる皮膚移植術を施行した. 右上肢は受傷後数日でガス壊疽にて切断2000年11月, 左正中神経剥離術, 母指対立再建術, 長母指屈筋腱剥離 腱延長術施行. 前腕回外不全が残存した為, 他医にてSauve-Kapandji法施行するも回外運動改善せず, 2002年7月, 前腕回内位拘縮に対する手術目的にて入院. 術前所見:上腕から肘の植皮術後の瘢痕および前腕の熱傷瘢痕を認めた. 可動域は自 他動可動域とも, 回内80度, 回外20度であり, 熱傷瘢痕による回内位拘縮が認められていた(図1). |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.452 |