未破裂左中大脳動脈瘤の治療後10年の経過で新生,増大した右脳底上小脳動脈瘤の1例

症例は52歳,女性.41歳時に右頭頂葉皮質下出血の治療の際に施行した脳血管撮影で偶然に未破裂左中大脳動脈瘤が発見された.その際の椎骨動脈撮影では動脈瘤は認めなかった.未破裂左中大脳動脈瘤に対しクリッピング術を施行した.7年後のMRAにて右脳底上小脳動脈瘤が新生した.さらに3年後のMRAで増大がみられたため,コイル塞栓術を施行した.新生動脈瘤の報告はくも膜下出血後や他疾患の治療後に新生動脈瘤自体が破裂した例が多い.本例は未破裂脳動脈瘤の治療後に脳動脈瘤の新生,増大を画像上確認し治療を行った.若年,女性,喫煙,高血圧の既往のある例などでは,未破裂脳動脈瘤治療後も画像診断による経過観察が必要と思われ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 34; no. 4; pp. 260 - 265
Main Authors 鹿児島, 海衛, 若林, 和樹, 松本, 正弘, 宮城, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2012
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.34.260

Cover

More Information
Summary:症例は52歳,女性.41歳時に右頭頂葉皮質下出血の治療の際に施行した脳血管撮影で偶然に未破裂左中大脳動脈瘤が発見された.その際の椎骨動脈撮影では動脈瘤は認めなかった.未破裂左中大脳動脈瘤に対しクリッピング術を施行した.7年後のMRAにて右脳底上小脳動脈瘤が新生した.さらに3年後のMRAで増大がみられたため,コイル塞栓術を施行した.新生動脈瘤の報告はくも膜下出血後や他疾患の治療後に新生動脈瘤自体が破裂した例が多い.本例は未破裂脳動脈瘤の治療後に脳動脈瘤の新生,増大を画像上確認し治療を行った.若年,女性,喫煙,高血圧の既往のある例などでは,未破裂脳動脈瘤治療後も画像診断による経過観察が必要と思われた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.34.260