輪状披裂関節固着を伴った声門後部癒着症例

気管挿管後に発症した声門後部癒着症例を経験した. 症例は75歳男性で, 抜管後約1カ月から労作時呼吸困難を自覚し, 抜管後3カ月で左声帯正中位固定, 右声帯の外転障害を認め気管切開術を施行した. 声門下からの観察で声門後部癒着症と診断された. 一側の輪状披裂関節固着を伴っていたが, 喉頭微細手術下に CO2 レーザーを用いて癒着の切離を行い, 右声帯の外転運動は改善し, 術後3カ月で気管切開孔を閉鎖した. 現在術後1年を経過しているが再癒着は認めていない. 喉頭内視鏡検査で声門後部の癒着を指摘することは困難であることが多く, 初診時両側声帯麻痺と誤診されることがあり注意を要する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 11; pp. 1389 - 1394
Main Authors 折舘, 伸彦, 榎本, 浩幸, 小林, 茉莉子, 矢野, 実裕子, 吉村, 太一, 桑原, 達
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.2018
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.1389

Cover

More Information
Summary:気管挿管後に発症した声門後部癒着症例を経験した. 症例は75歳男性で, 抜管後約1カ月から労作時呼吸困難を自覚し, 抜管後3カ月で左声帯正中位固定, 右声帯の外転障害を認め気管切開術を施行した. 声門下からの観察で声門後部癒着症と診断された. 一側の輪状披裂関節固着を伴っていたが, 喉頭微細手術下に CO2 レーザーを用いて癒着の切離を行い, 右声帯の外転運動は改善し, 術後3カ月で気管切開孔を閉鎖した. 現在術後1年を経過しているが再癒着は認めていない. 喉頭内視鏡検査で声門後部の癒着を指摘することは困難であることが多く, 初診時両側声帯麻痺と誤診されることがあり注意を要する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.1389